現代人間学研究科
心理臨床学専攻

充実のカリキュラム内容と実習体制。
公認心理師・臨床心理士への道を
力強くサポートします。

心理臨床学専攻では、カウンセラーや心理療法士となるために必要な専門的な知識と技術を修得し、公認心理師・臨床心理士の資格を持つ人材の育成をめざしています。臨床対象が拡大化し、症例が複雑化する臨床現場で役立つ、高度な専門性と実践力を身に付けるため、きめ細かい指導体制で研究の発展をサポートしていきます。

本学は、大阪で最初の府知事認可の女学校として1878年の創立以来、常に時代の要望にこたえられるような教育機関をめざし、130年以上の歴史をあゆんできました。近年わが国で起きている、児童虐待、うつ病、不登校、ニートなどさまざまな社会問題の多くが、心の問題から派生しているように思います。こうした時代背景から2005年度、文学研究科心理臨床学専攻を設置し(2006年4月現代人間学研究科に名称変更)、さらに2006年度には、財団法人日本臨床心理士資格認定協会より、第一種指定大学院としての認可を受けました。また、2018年度より公認心理師養成に向けて万全の体制を整えています。
本学では、高度な専門知識や実践経験が求められる心の専門家「臨床心理士」の養成のため、充実したカリキュラムと実習環境を用意しています。また修士(心理臨床学)の学位取得をめざして、これからの心理臨床の世界で役立つ研究を行うことができます。強い志をもったみなさんとお会いできるのを楽しみにしています。

専攻主任伊丹 昌一

目標

本専攻は、財団法人日本臨床心理士資格認定協会の第一種指定大学院に指定されています。また、公認心理師受験資格にも対応しています。本学の特色であるキリスト教の精神を生かし、一人ひとりの人間の尊厳を大切にすることを第一に考え、かつ実践能力を持った「公認心理師」・「臨床心理士」を養成します。

この専攻の特色

  1. 豊富な実践経験

    学内実習施設としての附属心理教育総合相談センター、および本学が提携している多種多様な学外実習施設において、療育プログラムや認知行動療法を含む幅広くかつ豊富な心理臨床の実践経験を積み重ねることが可能です。

  2. 多種多様な選択科目、
    特に子どもと芸術に重点化

    [子ども領域(発達療育・子育て支援・小児医療・不登校支援など)]と[芸術領域(描画・箱庭・身体表現・音楽など)]をはじめとする、多領域にわたる選択科目を用意しています。

  3. 医学や基礎心理学もカバー

    実践・研究・教育経験の豊富な臨床心理学専門の教員スタッフだけでなく、医学(精神医学・小児医学)や他領域の心理学を専門とする教員スタッフの配置により、幅広い人間理解と公認心理師・臨床心理士資格取得を全面的にバックアップします。

カリキュラム[2018年度]の編成

必修科目12科目26単位、選択必修科目群(A、B、C、D、E)からそれぞれ2単位以上、F群から医療、福祉、学校の実習2領域を含む4単位以上、計14単位以上、合計40単位以上を修得します。また、自分の専門領域にあわせて心理臨床学演習(ゼミ)を履修し、修士論文を作成します。出願時に様々な事情で2年で修了することが難しいことが予測される場合は、3年間もしくは4年間の履修を希望することができます。

必修 臨床心理学特論Ⅰ、臨床心理学特論Ⅱ
臨床心理面接特論Ⅰ(心理支援に関する理論と実践)、臨床心理面接特論Ⅱ
臨床心理査定演習Ⅰ(心理的アセスメントに関する理論と実践)、臨床心理査定演習Ⅱ
臨床心理基礎実習Ⅰ、臨床心理基礎実習Ⅱ
臨床心理実習Ⅰ(心理実践実習Ⅴ)、臨床心理実習Ⅱ
心理臨床学演習Ⅰ、Ⅱ(ゼミ)
A群 心理統計法特論
臨床心理学研究法特論
B群 人格心理学特論
発達心理学特論(心の健康教育に関する理論と実践)
認知心理学特論
音楽心理学特論
C群 社会・産業心理学特論(産業・労働分野に関する理論と支援の展開)
家族心理学特論(家族関係・集団・地域社会における心理支援に関する理論と実践)
犯罪心理学特論(司法・犯罪分野に関する理論と支援の展開)
D群 精神医学特論(保健医療分野に関する理論と支援の展開)
障害児(者)心理学特論(福祉分野に関する理論と支援の展開)
心身医学特論
E群 遊戯療法特論
描画・箱庭療法特論
心理療法特論
F群 学校臨床心理学特論(教育分野に関する理論と支援の展開)
臨床心理地域援助学実習・医療領域( 心理実践実習Ⅰ)
臨床心理地域援助学実習・福祉領域(心理実践実習Ⅱ)
臨床心理地域援助学実習・学校領域(心理実践実習Ⅲ)
グループ・アプローチ実習(心理実践実習Ⅳ)

Pick UP

  • 臨床心理面接特論I(心理支援に関する理論と実践)・II

    後藤・柴田

    Iではカウンセリングの定義に始まり、こころの構造、カウンセラーに必要な基本的態度、初回面接の進め方、カウンセリングの過程、治療(転移)関係などについて学びます。IIではより具体的事例に触れながら、留意点、諸問題に対する対応、終結のあり方などについて学びます。また各種技法についても習熟します。

  • 臨床心理査定演習I(心理的アセスメントに関する理論と実践)・II

    伊丹・柴田・後藤・岡本

    Iではまず査定の意義について学び、発達検査等各種心理検査の理論と技法について体験学習的に学びます。IIでは主にロールシャッハ・テストの理論と技法について、具体的事例を通じて習熟します。

  • 臨床心理基礎実習I・II

    岡本・後藤・森本

    心理教育総合相談センターで実際に事例を担当するに際して必要な心構え、技能、倫理、具体的手順などについて学びます。たとえば、ロールプレイを通じて個々のシチュエーションでの適切な対応を学んだり、初回面接に陪席してカウンセリングへの導入のあり方やカウンセラーの基本的態度や見立ての方法などの具体例について学びます。

  • 臨床心理実習Ⅰ(心理実践実習Ⅴ)、臨床心理実習Ⅱ

    後藤・柴田・森本・岡本・渡邊

    ケースカンファレンスでは、大学院生が担当する個々の事例について、見立て、対応、過程、意義、問題点などを検討します。臨床心理士資格を有する全教員と全大学院生、研究生によって多面的・総合的な検討を行います。
    インテークカンファレンスでは、教員によって行われる受理面接の報告、バウムなどについて、見立て、対応などを検討します。

  • 家族心理学特論(家族関係・集団・地域社会における心理支援に関する理論と実践)

    太田

    多様化する家族の現状・実情を踏まえた家族理解と家族カウンセリング、コンサルティング、コーディネーションの実際を学びます。特に家庭と家族と地域を結ぶ開発的カウンセリングについては、実践の参与観察を行います。

  • 障害児(者)心理学特論(福祉分野に関する理論と支援の展開)

    新澤

    広汎性発達障がいなどの主な発達障がいに関する理解を深めつつ、集団・個人療育の理論、方法などについて学び、実際の臨床実践についての指導を受けます。

  • 描画・箱庭療法特論

    後藤

    表現の治療的意義についての基本的理解のもと、表現療法の中でも特に描画療法や箱庭療法の理論と方法について、実習体験や事例の検討を通じて学びます。

  • 学校臨床心理学特論(教育分野に関する理論と支援の展開)

    伊丹

    学校において臨床心理学をどのように活用するのかについて学び、主にスクールカウンセリング事例をもとに具体的支援方法を検討します。

  • 心理臨床学演習(ゼミ)

    岡本・三雲・森本・後藤・柴田

    担当教員指導のもと、文献講読やディスカッション、予備調査などを取り入れながら、修士論文の作成を進めていきます。

教員の紹介

教授伊丹 昌一

学校臨床心理学特論、
臨床心理査定演習Ⅰ、
グループアプローチ実習

特別支援教育、学校心理学、子育て支援、発達障害児・者の支援、障害のある子の保護者支援

教授太田 仁

家族心理学特論

臨床社会心理学、学校心理学、子育て支援、青少年自立支援、家族援助

教授後藤 智子

描画・箱庭療法特論、臨床心理面接特論I、
臨床心理実習、心理臨床学演習、
臨床心理地域
援助学実習(医療領域)、
臨床心理基礎実習、臨床心理学特論Ⅰ、
臨床心理査定演習Ⅱ、犯罪心理学特論

スクールカウンセリング、子育て支援、描画療法、児童・思春期・青年期の心理臨床

教授三雲 真理子

認知心理学特論、音楽心理学特論、
心理臨床学演習

音楽と感情(感動・嗜好・性格)、音高系列の記憶、音楽聴取時の生理的変化(脳波)、
音楽と色彩(香り)の共感覚、音声と感情

教授阿部 晋吾

社会・産業心理学特論

怒りと攻撃性、産業組織心理学(組織の環境変化とストレスおよびモティベーションの関係)

教授柴田 由起

臨床心理実習、臨床心理面接特論Ⅱ、
心理臨床学演習、臨床心理基礎実習、
臨床心理査定演習Ⅰ、
臨床心理地域援助学実習(学校、福祉領域)、
グループアプローチ実習

描画療法、コラージュ療法、児童期思春期の心理臨床、学校臨床

准教授大芝 宣昭

心理統計法特論

霊長類(ニホンザル・チンパンジー・ヒト)における系列学習の比較、ニホンザルによる将来の
でき事についての予測能力

准教授岡本 智子

臨床心理基礎実習、遊戯療法特論、
心理臨床学演習、臨床心理実習、
臨床心理学特論Ⅱ、臨床心理査定演習Ⅱ、
臨床心理地域援助学実習(医療、福祉領域)

心理療法におけるセラピストの想像活動、深層心理学、夢分析、ひきこもり支援

准教授森本 美奈子

臨床心理学研究法特論、臨床心理実習、
臨床心理地域援助学実習(医療・福祉・学校領域)、
臨床心理基礎実習、心理臨床学演習

認知症患者と介護家族への心理教育介入、精神的回復力や自己成長力と
コーピングの関連、家族機能と感情表出

講師渡邊 力生

臨床心理実習

動物病院での飼い主の心理的ケア、人と動物の関係学、アニマルセラピー、学校臨床

在学生の声

T.F.さん(京都光華女子大学 人文学部 心理学科出身)

臨床心理士をめざし大学院へ進学しました。大学で心理学を専攻していましたが、大学院で学び始めてからは臨床心理の奥深さに気づかされる日々を過ごしています。
実習においては、座学だけでは学びきれない貴重な体験をしているという実感があります。臨床の現場を知ることで心理臨床家としての役割について考えを深める機会を与えていただいているように思います。心理臨床における実習を経験してからは、自己を見つめる機会が増えました。トレーニングの場として大事な経験を積ませていただいていると感じています。発達検査や投影法を学ぶ中で、人の援助と理解に必要な技術を身につけるには実践の積み重ねや考察の時間が必要であり、それらは臨床家の成長にも繋がることだと思うようになりました。先生方を始め先輩方に話しを聴いていただき気持ちが楽になることや仲間と思いを共有することで共感し合える喜びを感じています。志の高い仲間からは刺激をもらっています。

修了生の声

A.Yさん(梅花女子大学大学院 現代人間学研究科
心理臨床学専攻出身)

大学2年生の時に「緩和ケア」という分野で活躍する臨床心理士の存在に感銘を受け、大学院進学を決意しました。大学院では、「心理臨床の基礎」をしっかりと学びながら、教育・医療・福祉の3領域の実習に携わります。本大学院では、社会・認知・教育・発達・臨床など、さまざまな分野の専門の先生方が揃っておられます。常に連携を取りながら安心して実習に臨めたことも大きな支えとなりました。附属の相談センターでは、幅広い年代のあらゆる悩みを抱えたご利用者様に寄り添うために、在籍する先生方やスタッフの方々からもご指導いただき、心理臨床に携わる上で大切な基本的な姿勢を実践的に学ばせていただきました。大学院で得た学びや経験を糧に、さらに自分と向き合って勉強に励んだ結果、臨床心理士資格を取得することができました。今後は臨床心理士という立場の重要性や責任をしっかりと持ちながら、経験を重ね、公認心理師取得に向けても精進していきます。

附属施設

梅花女子大学大学院
心理教育総合相談センター

本学心理教育総合相談センターは、2004年2月梅花学園豊中キャンパス内に大学院附属施設として開設して以来、相談機関として地域に貢献して参りました。北摂地域をはじめとして広く近畿全域の医療機関や教育機関からの紹介で相談に訪れる方も多く、子どもさんから大人の方まで、幅広い年齢層の方々からのご相談に応じています。 2011年度より、主にうつ病による休職者対象の認知行動療法のプログラムもはじまりました。
また、自閉症などの発達障がいに対して早期から適切な対応をしてほしいという、利用者の皆様のご要望にお応えするべく、発達支援・子育て支援などの子どもの心理臨床のための独立施設として、2008年4月に分室が茨木キャンパス内に開設されました。茨木分室は、中学生以下の子どもさんとその保護者の方々を対象とする、子ども専門の相談センターであり、前述の発達障がいに対する個人・集団療育はもちろん、不登校など、その他さまざまなご相談に応じて、遊戯療法、音楽療法や親面接を行っています。そして、2015年2月より豊中分室と茨木分室を統合し、梅花女子大学大学院 心理教育総合相談センターとして心理的な諸問題により包括的に取り組む体制をスタートさせました。
このように本学では、社会の要請をいち早くとらえ、面接や療育によりよく反映させることができるような、地域に開かれた専門機関としての発展をめざしています。そのために、こころの専門家としての立場をつねに真摯にわきまえ、どのような方々にも対応できるオールマイティな人材を育成しています。

活動実績

  • 年間受理件数 平均200件以上
  • 年間面接回数 平均3000回以上

大学院生年間担当件数

  • 一人当たり面接件数4~10件
  • 療育件数1~3件