日本シュライアマハー協会
スペース
スペース協会についてF.D.E.シュライアマハーについて文献案内ニュース
スペース

日本シュライアマハー協会

スペース協会についてF.D.E.シュライアマハーについて

F.D.E.シュライアマハーについて :

フリードリヒ・ダニエル・エルンスト・シュライアマハーは、18〜19世紀にかけて、学問諸分野の包括的連関を視界に入れて学知をめぐる作業を遂行した希有の思想家です。彼は、近代プロテスタント神学の父として、また偉大なる説教者として知られています。しかし、その業績は単にキリスト教神学の世界にとどまらず、学知全般の体系的構想(「弁証法」)、歴史哲学、文化哲学、心理学、美学、解釈学、教育学などに及び、さらにプラトンの解釈者、ドイツ語への翻訳者としても著名な、現代に対しても刺激的な問題提起を続けている古典的思想家です。  主著として知られる『宗教論』、『独白録』、『信仰論』はもとより、大量の手稿、講演原稿、講義録等が、キールならびにベルリンのシュライアマハー研究所から、批評版全集(Die Kritische Schleiermacher-Gesamtausgabe; KGA)として編纂、刊行中であり、今後一層の研究の進展が期待されるところです。

「シュライアマハー」という邦語名称について :

Schleiermacherの邦語表現は、古くは石原謙の訳著『シュライエルマッヘル宗教論』、岩波文庫の佐野勝也・石井次郎訳『宗教論』などによって「シュライエルマッヘル」が利用されてきました。その後、「シュライエルマッハー」が人々の愛用する表現となりましたが、最近になって「シュライアーマッハー」という表現も多く使われています。さらに「シュライアマッハー」という表現他も見受けられ、統一されていないのが実情です。

「日本シュライアマハー協会」設立にあたって、この邦語表現は協会として統一されるべきであると高森、川島、水谷の三役員は判断し、1)できるだけ原音に近いものを採用すること、2)日本語としてシンプルを旨とすること、という基準を設けて「シュライアマハー」という表現を今後使用していくこととしました。関係諸氏のご支持を願うものです。

1)の点では、現在頻繁に用いられている「シュライエルマッハー」の「エル」、「シュライアーマッハー」の「アー」は、ともに不充分である。"Schleier"の最後の"er"は弱く、強調的に「エル」とは発音せず、また「アー」と伸びない。

2)の点では、「マヒャー」が原音に近いとはいえ、カタカナ表現として簡素ではない。
なお、「シュライアマハー」という表現は、すでに『キリスト教人名辞典』(日本基督教団出版局)に現れ、加藤常昭氏も使用している。

[参 考]
 川島堅二の宗教学研究室「Schleiermacherの日本語表記について」[リンク
 石原謙の訳著『シュライエルマッヘル』については次のものを参照。
 水谷誠「石原謙における宗教と神秘主義──とくにシュライエルマッハーの『宗教論』をめぐって──」
    『基督教研 究』第45巻第2号[PDF
 水谷誠「シュライエルマッハー『宗教論』受容の一形態──ディルタイ、リッチュル、オットーと石原謙の対論及び翻訳──」
    『基督教研究』第46巻第1号[PDF

トップページ > F.D.E.シュライアマハーについて


Copyright(c)2005- Schleiermacher Gesellschaft in Japan. All rights reserved.