3つの教育方針 Educational Policy

教育課程編成・実施方針
(カリキュラムポリシー)

2019年度

女子大学の教育課程編成・実施方針
(カリキュラムポリシー)

梅花女子大学は、学位授与の方針に掲げる能力や資質を涵養するとともに、学生の能力を最大限に引き出し、自らの将来を切り拓く力を育成するために、次の実施方針に基づきカリキュラムを編成する。

  1. (1)幅広い視野と豊かな人間性を育み、知性と品性を備え、社会で活躍できる女性となるための基礎的な力を身につけることを目的として、「共通教育科目」にキリスト教科目、キャリア基礎科目、情報科目、グローバルコミュニケーション科目、スポーツ科目、芸術・身体表現科目および教養科目を置く。
  2. (2)各学部学科の「専門教育科目」は、学生が専門的な知識や技能を修得するとともに、主体性や、思考力、実践力、課題発見・解決力などの育成を通して、学生が社会的に自立し活躍できる力を身につけることを目的として編成する。
  3. (3)より広い知識と教養を身につけるために、他学部他学科の科目や他大学の科目を履修することができ、さらにはグローバルな視野を養うために海外の協定大学での学習の機会を設ける。

文化表現学部

文化表現学部では、多様な文化のあり方を主体的に探求するとともに、その成果を各学科の特性に合わせた様々な方法で表現・発信する能力を身につけるよう、次の実施方針に基づきカリキュラムを編成する。

  1. (1)学部の専門科目には、社会人としての基礎力を身につける学部共通科目と、創造力や課題発見・解決能力を育む各学科専門科目を置く。
  2. (2)各学科の専門科目は基本科目と発展科目から構成され、基本科目には各学科の学びの基礎的または包括的な内容の科目を、発展科目には各コースの専門性を高めるための科目を置く。
  3. (3)各学科が設置する発展科目は、学科の特性を生かした人材育成のためのコース制をとり、各コースの科目群を置く。

国際英語学科

英語および英語圏の文化に関する知識や経験に加え、実社会で必要とされる能力を持った人材を育成するため、次の実施方針に基づきカリキュラムを編成する。

  1. (1)学科の専門科目には、英語を「話す」、「聴く」、「読む」、「書く」ための基礎的な力を高めるための科目群を置く。
  2. (2)海外実習を円滑かつ効果的に実施するために英語の実践的な運用と異文化理解を深めるための科目群を置く。
  3. (3)「国際観光コース」には、観光業界全体への理解を深め、ホスピタリティーの精神を学び、業界内での仕事に必要な英語の語彙や用法を身につけるための科目群を置く。
  4. (4)「英語教育コース」には、教職関連科目や、子供に英語を教えるために必要な理論と実践力を身につけるための科目群を置く。
  5. (5)以上の科目に加え、3年次の演習、4年次の卒業研究、および英語の学習や異文化理解を深めるための科目を置く。

日本文化創造学科

日本の歴史や文学、日本語を基礎として、論理的な思考と多様な表現力を備えて、社会に貢献できる人材を育成するため、次の実施方針に基づきカリキュラムを編成する。

  1. (1)「歴史・文化コース」には、主に日本の歴史や日本語、日本文化に関する幅広い知識を身につけ、観察力・調査力・問題発見解決力・論理的思考力を育成する科目を置く。
  2. (2)「文学・創作コース」には、日本文学に関する幅広い知識を身につけ、日本語の文章表現力を育成する科目を置く。
  3. (3)「国語・書道教員養成コース」には、国語・書道を教授できる知識・技術・指導力を育成する科目を置く。
  4. (4)「トップセクレタリーコース」には、上級秘書士の資格取得など、就業力の向上を図るための科目を置く。
  5. (5)各コースには、専門科目を集中して学ぶことができるだけではなく、他のコースの科目を組み合わせて学ぶことで、内容を充実することができるように科目を置く。

情報メディア学科

情報メディアに対する基本的な知識と技能を基盤に、多様な分野の学びを通じて情報社会の発展に貢献できる人材を育成するため、次の実施方針に基づきカリキュラムを編成する。

  1. (1)情報メディアに関連した幅広い分野で活躍する人材を育成するために、「マスコミ・アナウンサーコース」「ゲーム・デザインコース」「医療事務・司書コース」「ファッションビジネスコース」の4コースを設置する。
  2. (2)学科の専門科目は基本科目と発展科目から構成され、基本科目には情報メディアおよび各コースに関連した基礎的または包括的な内容の講義と演習科目を、発展科目には各コースの専門性を高めるための科目を配置する。
  3. (3)1・2年生は基本科目を中心とした履修により情報リテラシーを学び、2・3年生では発展科目で専門的な知識と技能を習得する。そして4年生は、卒業演習・制作で自身の学習研究の成果を総括する。

心理こども学部

心理こども学部では、多様な分野の学びを通して、各学科の特性に合わせた様々な方法で社会貢献する能力を有するよう、次の実施方針に基づきカリキュラムを編成する。

  1. (1)心理的なサポート力や子育て支援に関する実践力を育むための科目を置く。
  2. (2)各学科の専門科目は基本科目と発展科目から構成され、基本科目には各学科の基礎的な内容の科目を、発展科目には各コースの専門性を高めるための科目を置く。
  3. (3)各学科が設置する発展科目は、学科の特性を生かしたキャリア形成のためのコース制をとり、各コースの科目群を置く。

こども学科

こどもの本に強い小学校教諭、幼稚園教諭、保育士を育成するため、次の実施方針に基づきカリキュラムを編成する。

  1. (1)小学校教諭一種免許状、幼稚園教諭一種免許状、保育士資格に関する科目を基盤としたうえで、学生の興味・関心に応じた発展的な科目を配置し、小学校教諭、幼稚園教諭、保育士としての総合的な力を修得できる科目編成を行う。
  2. (2)児童文学・絵本の伝達、創作、研究についての科目群を置く。
  3. (3)応用科目として児童厚生2級指導員資格、レクリエーション・インストラクター、認定ベビーシッター、幼稚園・保育園のためのリトミック指導資格1級、2級取得のための科目群を置く。

心理学科

心理学に対する基本的な知識と技能を基盤に、現代社会の発展に貢献できる人材を育成するため、次の実施方針に基づきカリキュラムを編成する。

  1. (1)「公認心理コース」には、幅広い心理的援助の現場において、人の心を癒し、支えるための専門的な知識や技術を身につけるための科目群を置く。
  2. (2)「キャリア心理コース」には、営業、販売、企画立案など一般企業での実務に役立つコミュニケーション力や思考力を身につけるための科目群を置く。
  3. (3)「特別支援教育コース」には、視覚や聴覚を含む様々な障がいのある児童・生徒を教育する際に必要な知識・技術・指導力を身につけるための科目群を置く。
  4. (4)「動物看護・セラピーコース」には、動物を介在したコミュニケーションについて学び、動物に関わるさまざまな領域で心理学を活かして働く際に必要な知識や技術を身につけるための科目群を置く。
  5. (5)以上の科目に加え、教職関連科目、3・4年次の演習、4年次の卒業論文の科目を置く。

食文化学部

食文化学部では、食の営みにおける様々な事象を分析・理解し、人間の食行動に対する総合的理解を通じて、人間生活の向上に寄与できる人材を育成するために、各学科において次の実施方針に基づきカリキュラムを編成する。

  1. (1)社会に貢献できる人間の食行動に対する総合的理解につながる科目を置く。
  2. (2)各学科の専門性を探求できる専門の科目と、その基盤となる基礎の科目を置く。
  3. (3)人間生活向上に寄与・貢献するために必要な実践的技術・能力を習得する科目を置く。

食文化学科

食の基本としての調理に関する技術と理論を身につけ、「食育・安全」「食産業」「食文化史」の三系統を広く学び、食文化を総合的に理解できる人材を育成するため、次の実施方針に基づきカリキュラムを編成する。

  1. (1)「学科基本科目」:実際の調理・製菓に関する理論と技術に関わる教育課程で、「食」分野の学びの中核である「調理学」「栄養学」「食品学」などの学びと、実際の技術を身につけるための豊富な実習科目を配置する。特に、実習科目は、「食」の現場に限らず、社会人として、全ての現場において必要とされる「チームワーク力」を養成する場として位置づける。
  2. (2)「就業力養成科目」:社会人基礎力、就業力を身につけ、主にコミュニケーション能力やビジネススキルを育成することを目的とした教育課程を編成する。
  3. (3)「学科専門科目」:「食育・安全」「食産業」「食文化史」の 3 系統から構成される教育課程を編成する。
  4. (4)「食育・安全」系統科目:従来の生活科学の食分野における専門的な学びを中心とし、近年、世界的に問題となっている「食の安全」を厳守する立場からの学び、人生全体からみた食育の重要性についての学びなどを展開する。
  5. (5)「食産業」系統科目:従来の食産業において分離していた経営サイドと調理サイドの融合をめざし、経営サイドの学びを通じて、食産業で経営能力を発揮できる力を身につけることを目的とした科目を配置する。
  6. (6)「食文化史」系統科目:特に歴史研究の視点から、食文化史の専門的な学びを中心として展開し、広範な食文化の教養的知識を有することができるような科目を配置する。
  7. (7)1年生では「食」に関する基礎知識と技術を、2・3年生で3つの系統から将来に向けた専門的知識を習得する。そして4年生では、「食」にまつわる研究テーマで、これまでの学習研究の成果を総括する。

管理栄養学科

栄養指導において、対象者一人ひとりの人生に寄り添い、それぞれに望ましい栄養状態と食生活の実現に向けて、人と食を尊重する栄養管理に携わる人材に必要とされる、健康の維持・増進、疾病の予防・回復に、食事および栄養面から貢献できる専門的知識と実践力を身につけるため、次の実施方針に基づきカリキュラムを編成する。

  1. (1)専門基礎科目群、専門科目群から構成する教育科目を配置し、管理栄養士として必要な知識、技能を科学的根拠に基づいて体系的に学習し、主体的に学問を探究できるカリキュラムを編成する。
  2. (2)管理栄養士に求められる知識、技能を社会と結びつけるため臨地実習を行い、実践力をつけるとともにキャリア形成に役立つカリキュラムを編成する。
  3. (3)栄養に関する知識を統合的に理解して汎用能力をつけ、多職種間で連携、協働できる力を育くみ、管理栄養士としての自己認識が高まるカリキュラムを編成する。

看護保健学部

看護保健学部では、医療・保健における看護師と歯科衛生士の専門性を探求すると共に、各学科の教育目的を実現するために、次の方針に基づきカリキュラムを編成する。

  1. (1)社会に貢献できる女性に求められる教養と人間性・社会性を育む科目を置く。
  2. (2)各学科の専門性を探求できる専門科目と、その基盤となる関連科目を置く。
  3. (3)専門分野の発展に貢献するために必要な基礎的能力を習得する科目を置く。

看護学科

本学科の教育目標を次の通り定める。

  1. (1)いのちの尊厳と人間尊重を考え、高い倫理観に支えられた豊かで誠実な人間性を養う。
  2. (2)社会・環境と相互に作用している生活する人を理解するために、学際的な教養を身につける。
  3. (3)その人らしく生きることを支援するための基礎的な看護専門知識・技術と実践能力を養う。
  4. (4)保健・医療・福祉に関わる多様な専門職者と連携・協働できる基礎能力を養う。
  5. (5)国際的な視野をもち、国際交流や国際協力に貢献できる基礎能力を養う。
  6. (6)看護学の発展に貢献しうる創造的・科学的探究心と生涯にわたる自己研鑽のための基礎能力を養う。

この教育目標を実現するために、カリキュラムの編成・実施方針を以下のように定める。

  1. (1)看護専門科目は、人間理解の科学的基盤科目と看護実践科目から成り立っている。
  2. (2)人間理解の科学的基盤科目は、看護の対象である「生活する人」を科学的知識にもとづき深く理解するための科目群である。「人間の心と行動」、「人体と環境」「人間社会と文化」の三つの分野に分けて科目を配置している。
  3. (3)看護実践科目は、「基礎看護」「成人看護」「老年看護」「母性看護」「小児看護」「精神看護」「在宅看護」「国際看護」「災害看護」「公衆衛生看護」「看護の統合と実践」の11分野から成り立っている。知識・理論と基礎技術、人間のライフステージや状況から発展した専門科目について系統的に学んで行き、自立した看護専門職者の基礎的な実践能力を修得できるよう、講義・演習・臨地実習と段階を踏まえて構成している。特に臨地実習は多様な看護活動の場を計画している。

口腔保健学科

本学科の教育目標を次の通り定め、カリキュラムを編成する。

  1. (1)生命の尊厳と人間尊重を考え、高い倫理観を備えた豊かで誠実な人間性を養う。
  2. (2)人間と社会・環境との相互作用で健康問題が生じるという、総合的かつ客観的にみる目を養う。
  3. (3)すべての人々が健康と幸せを享受し、その人らしく生きることを支援するために口腔保健学の専門知識と実践能力を修得する。
  4. (4)医療・保健・福祉に関わる多様な専門職種の人と連携・協働関係を形成できる基本的な知識、技術とリーダーシップ、マネージメント力を養う。
  5. (5)健康施策への関わり方、社会的ニーズの把握や問題の発見と解決能力を修得する。
  6. (6)グローバル社会に適応できる国際的な視野と行動力を養う。
  7. (7)口腔保健学の発展に貢献しうる創造的・科学的探究心と生涯にわたる自己研鑽のための基礎能力を培う。

この教育目標をふまえて、ディプロマポリシーを実現するためにカリキュラムの編成・実施方針を以下のように定める。

  1. (1)口腔保健の基礎では、医療専門職として専門的な基礎知識や人々の健康を総合的に支援するため、科学的思考力を養うことを目的に、専門基礎分野は人体の基礎と環境に分けて科目編成を行う。
  2. (2)口腔保健の専門分野では「歯科衛生過程」の概念を導入し、段階的に口腔保健専門職に必須の知識と技術の習得を図り、人々の健康の諸問題を発見、分析と評価することから、問題解決型の思考力と判断、実践・行動力を養うことを目的に科目を編成する。
  3. (3)個人や地域社会を対象とする保健・医療・福祉の分野で、臨床・臨地実習を行い、多職種連携のもとで主体的に口腔保健学を実践する能力が習得できるよう計画している。
  4. (4)論文の読み方と書き方から、論理的思考と研究姿勢、発表の基本を習得するとともに、最新の知見に触れることで、グローバルな視野を培うことを目的に口腔保健研究演習を設ける。
  5. (5)口腔保健・歯科医学領域以外にも興味、関心をもって他学部学科の科目も履修し、自ら幅広い教養と豊かな人間性の涵養に取り組むことを評価する。

大学院の教育課程編成・実施方針(カリキュラムポリシー)

文学研究科

日本語日本文学専攻

本専攻は、日本語や日本文学、周辺国との比較文化の研究に必要な知識を広く学ぶため、次の実施方針に基づきカリキュラムを編成する。

  1. (1)日本語・日本文学・日本文化の分野に「研究・演習」を設置する。
  2. (2)日本語・日本文学・日本文化・中国文学の分野に「特殊講義」を設置する。

英語英米文学専攻

英語学・英文学・米文学に関し、自分で発見した研究テーマを深く掘り下げていくことのできる人材を育成するため、次の実施方針に基づきカリキュラムを編成する。

  1. (1)英文学、米文学、英語学の三分野にわたり、それぞれ「特殊講義」および「研究・演習」を設置する。
  2. (2)英語での修士論文執筆の指導を受けるための「英語表現法」を設置する。

児童文学専攻(博士前期課程)

児童文学専攻(博士前期課程)は、児童文学、絵本、児童文化等に関する専門的な知識や研究方法を修得するために、次の実施方針に基づきカリキュラムを編成する。

  1. (1)研究基盤育成のために「児童文学原論」を必修とする。
  2. (2)伝承児童文学、日本児童文学、外国児童文学、絵本学、児童文化の各分野において、「研究・演習」、「特殊講義」を設置する。
  3. (3)研究の幅を拡げるため、研究主題に関する他専攻の科目を「特殊講義」として履修することを認める。

児童文学専攻(博士後期課程)

児童文学専攻(博士後期課程)は、児童文学、絵本、児童文化等に関する専門的な知識や研究方法を応用し、博士論文を執筆するために、次の実施方針に基づきカリキュラムを編成する。

  1. (1)伝承児童文学、日本児童文学、外国児童文学、絵本学、児童文化の各分野において、「研究・演習」を設置する。
  2. (2)自らの研究計画に基づいて、教員の指導により論文の作成をめざす。

現代人間学研究科

心理臨床学専攻

公認心理師課程および臨床心理士養成課程に必修の科目および隣接関連領域の知識を提供し、独創的な研究遂行力を育て、実習内容の充実を図り、幅広い対象や技法に対応できる臨床実践力を育成するため、次の実施方針に基づきカリキュラムを編成する。

  1. (1)公認心理師課程および臨床心理士養成1種指定大学院としての必履修科目と幅広い関連分野の科目から構成される科目を置く。
  2. (2)1年次においては、臨床心理学を中心とした基本科目を履修することにより臨床心理学の研究基盤を身に着け、2年次には、研究はもとより実践力を養うために、教員の指導の下、附属の心理教育総合相談センターでの実践を重視する。

看護保健学研究科

口腔保健学専攻

他の保健医療福祉職種と連携・協働のもと、科学的根拠に基づいた口腔保健管理能力を養い、グローバリゼーションに対応した環境づくりなど、社会の多様なニーズに対応できる実践力の高い人材を養成するために、次の実施方針に基づきカリキュラムを編成する。

  1. (1)すべての学生が共通して受講できる「共通基礎科目」を設置する。
  2. (2)専門領域により選択する「専門科目」には応用力を養う「専門選択科目Ⅰ」と、実践力を養う「専門選択科目Ⅱ」を設置する。
  3. (3)学生自らが選択した研究課題に取り組む「専門研究」を設置し、教員の指導により論文の作成をめざす。