散策のキーワード1 

藤原(中臣)鎌足(鎌子)を訪ねて


三年の春正月の乙亥の朔に、中臣鎌子連を以て神祇伯に拝す。

再三に固辞びて就らず。疾を称して退でて三嶋に居り。

                『日本書紀』皇極三年(六四四)一月条

「三嶋」は、今の茨木市の一部です。

茨木市に鎌足の住居があったと推定されます。

その痕跡は、現在も

阿為神社春日神社須久々神社新屋坐天照御魂神社

(いずれも式内社)

等の神社で、中臣氏(藤原氏)の祖先神である天児屋根命が

祭られているところから知ることができます。

大職冠神社には鎌足が祭られ

阿武山古墳は鎌足の墓として有力視されています。

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鎌足をめぐる伝承は、中世以後のものです。

7世紀の歴史とは一線を画して、

享受史として理解すべきでしょう。

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各神社史についても、祭神をめぐって

考えるべきところが大きいように思われます。

各論は学生たちのサイトに期待するところです。

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