加藤康子さんのブログ
赤本 2007年11月23日(金)
「近代以前日本児童文学講義」という授業を担当していますが、今年は、レポートだけでなく、勉強した江戸時代の絵本「赤本」を模した絵本を制作し、制作過程と共に提出してもよいということにしました。
このようにしたのは、授業で題簽を作ってもらったことがきっかけでした。題簽とは、書名を木版で刷ったもので、これを表紙に貼ります。題簽の中には、本の中の絵の一つが描かれていることが多いのです。授業で取り上げた作品に題簽が失われているものがあったので、それを工夫してもらったのです。学生の作品には、実に様々な絵があり、その発想のおもしろさに感心しました。
そこで、赤本を作ってもらおうと思ったのです。この方法はすでにかなり前に木村八重子先生が白百合女子大学でなさっていたのですが、私はなかなか踏み切れませんでした。ついつい堅苦しく知識やレポートにこだわっていたのです。でも、今回レポートか絵本を選んでもらったところ、ずいぶんたくさんの赤本が提出されました。おもしろい作品がたくさんあり、嬉しい限りでした。
今回の赤本は、江戸時代の赤本の形式を利用することが条件で、内容は何でもいいのです。江戸時代の作品を模しても、アレンジしても、外国の話を展開させても、オリジナルの話でも、何でもいいことにしました。
学生の発案だと聞いていますが、幸いなことに先日の学園祭で、絵本制作展の中に展示することができ、いろいろな方々が興味深く読んで下さっていました。そこで、このブログでも紹介したいと思い、作者から許可を得たものから少しずつご披露します。
さて、Mさんの『向ふ横丁』です。「向ふ横丁のお稲荷さんへ……」の歌をアレンジし、江戸時代の風俗を描いていますが、新しいセンスが感じられます。表紙の題簽に登場する犬がすべての場面に登場して、作品の一貫性を担っているのですが、その表情のかわいらしさとしぐさに惹きつけられ、実は読者はこの犬になって作品の中に引き込まれていくのではないかと思います。つまり、この犬が現代と江戸を結びつけています。そして、最後にはさわやかな落ちもあって、楽しい作品です。表紙をめくった裏側を見返しといいますが、そこにも江戸風のデザインを取り入れ、こだわっています。洒落た作品です。
表紙
見返しと1丁表(今の1ページ)
1丁裏・2丁表(今の2・3ページ)
次は、Oさんの『化けくらべ』です。狸と狐が化け比べをしていくのですが、何とも言えないユーモアがいい味を出しています。見開きとページ送りがうまく利用されて、何に化けるかとわくわくと楽しい驚きが続いていきます。しかも、化け方はだんだんグレードアップし、作品に盛り上がりが仕組まれています。読者がわーっと喜ぶ現在の人気者が化け姿として出てくるところがおもしろいのです。この流行を取り入れるという手法は、意外かもしれませんが、江戸時代の赤本にもあるものです。赤本にあったこの手法をうまく活かしているのです。
1丁裏・2丁表(今の2・3ページ)
4丁裏・5丁表(今の8・9ページ)
Mさんも、Oさんも絵本制作を勉強しているのですが、その経験とセンスが、赤本への理解とあいまって、新たな絵本を作っています。その作り方に、赤本の本質をつかんでいることがわかって、ますます感心しました。今回提出された制作過程にも、多くの作者が赤本の本質に触れているところがあり、嬉しく思った次第です。
投稿時間 17:55 | コメント(0) | トラックバック(0)
桃太郎 2007年05月19日(土)
先日、「描かれた「桃太郎」」という資料をいただきました。岡山県立美術館で開催された展覧会の図録です。小さい図録ながら、いろいろな桃太郎が視覚的に豊かに収められています。桃太郎に関する資料は多く、桃太郎の資料をたくさん集めて資料館を開いている方もおられます。そうした中で、この資料はなかなか楽しいものでした。
そこで、「近代以前日本児童文学講義」で紹介しました。『寺子短歌』が終わり、来週から『桃太郎昔語』に移ろうとしていたので、ちょうど良いタイミングでした。スクリーンに映していくと、笑い声も起こって、結構楽しんでくれました。
桃太郎といっても、幼児、少年、青年などいろいろな年齢の絵があるのです。かわいらしいのもあれば、りりしいのもあり、やさしげなのもあれば、ほっそりした顔、しまった顔、ふっくらとした顔、なぜかと思うほどいろいろなイメージが描かれています。そのつどわーっと笑うので、桃太郎って人気があるのだなあと思います。犬、猿、雉の様子もさまざま。その一つ一つに反応があり、桃太郎はずいぶん受けていました。良い図録だったのだと思います。
投稿時間 19:52 | コメント(1) | トラックバック(0)
日本昔話学会 2007年05月12日(土)
春から夏にかけては学会の多い季節。学内でもいろいろなチラシやポスターでそのお知らせを見ることができます。連絡がきましたので、一つご紹介します。
日本昔話学会平成19年度大会
7月7日(土)~8日(日) 於:國學院大學 渋谷キャンパス 若木タワー(東京)
7日 13:00開会 13:10~16:30公開講演 総会・懇親会
開会の辞 花部英雄氏(國學院大學)
公開講演
①孤立伝承の昔話 大島廣志氏(國學院大學)
②陰陽道と昔話ー口承文芸の歴史民俗学的探求ー 小池淳一氏(国立歴史民俗博物館)
③スペインの現代伝説 三原幸久氏(関西外国語大学名誉教授)
8日 9:30~12:00研究発表 13:15~16:30シンポジウム 16:30閉会
研究発表
第一会場
①覚海伝説と昔話「山中の碁打ち」 荒井州平氏(國學院大學)
②酒呑童子の面はなぜ、はずれなくなったのかー『伊吹山(大江山以前)酒呑童子』からの考察ー 西座理恵氏(昔話伝説研究会)
③「継子の栗拾い」と「地蔵浄土」ー「鶏の鳴き真似」をめぐってー 田中浩子氏(昔話研究土曜会)
第二会場
①石の民間信仰ーグリム兄弟の『ドイツ伝説集』と『日本伝説大系』を中心にー 横山ゆか氏(成城大学大学院)
②ゲール語圏の説話の定型表現「走り語り」(run)について 岩瀬ひさみ氏(比較民話研究会)
③アメリカに渡ったイギリス系の昔話 美濃部京子氏(静岡文化芸術大学)
シンポジウム「語りの現在を追う」
司会 米屋陽一氏(國學院大學)・小堀光夫氏(昔話伝説研究会)
パネリスト
①昔語りは家庭から 杉浦邦子氏(昔語りの研究と実践・ふきのとう主宰)
②語りの現場から 末吉正子氏(全日本語りネットワーク会員)
③伝承活動のパラダイムー〈文字で記録〉と〈語りのパフォーマンス〉とー 根岸英之氏(市川市文学プラザ司書/市川民話の会)
閉会の辞 阿部敏夫氏(北星学園大学)
投稿時間 23:59 | コメント(0) | トラックバック(0)
昔話にみる未来 2007年05月10日(木)
セミナーのお知らせをいたします。下記のような内容です。是非ご参加いただければと思います。
日本学術振興会人文・社会振興プロジェクト研究事業
公開セミナー「昔話にみる未来」
昔話という人類共通の財産のもつ働きや意味を再認識し、未来の社会や教育現場においてもっと上手に活用していくことを提案し、昔話を学問の対象とすることの重要性を社会に向けて発信するために公開セミナーを実施いたします。
幼児教育から大学教育までの教育関係者の皆様、教育の仕事を目指す大学生・中高生の皆様、大切なお子様に明るい未来を与えたいとお考えの全てのお父様お母様に聞いていただきたいメッセージがここにあります。是非、多くの方々にご来聴いただければと考えております。
セミナー名:
公開セミナー「昔話にみる未来」
日時:
2007年6月23日(土) 13:00~17:00
2007年6月24日(日) 10:00~12:30
場所:
千里ライフサイエンスセンター 5F サイエンスホール
(豊中市新千里東町1-4-2・北大阪急行地下鉄御堂筋線・千里中央駅すぐ)
入場料:
無料
研究グループ名:
日本学術振興会人文・社会振興プロジェクト事業
領域Ⅳ 豊かな人間像の獲得 「伝承の現場からの考察」研究グループ
主催:
国立民族学博物館
協力:
大阪外国語大学、梅花女子大学
研究グループ長:
国立民族学博物館 教授 小長谷有紀
ホームページ:
http://persian.osaka-gaidai.ac.jp/~archives/jinsha_seminar/index.htm
プログラム:
【2007年6月23日(土)】13: 00~17:00
・趣旨説明と開会の挨拶
小長谷有紀(国立民族学博物館)
・セッション1:昔話と幼児教育
報告:
「保育と絵本」 阿部紀子(愛知江南短期大学)
「日本の絵本の源が語りかけること」 加藤康子(梅花女子大学)
「昔話のおもしろさ」 三原幸久(関西外国語大学[名誉教授])
司会:赤羽根有里子(岡崎女子短期大学)
コメンテーター:長崎広子(大阪外国語大学)
・セッション2:昔話と大学教育
報告:
「昔話を通して異文化を学ぶ」 美濃部京子(静岡文化芸術大学)
「昔話を語るということ」 齋藤君子(口承文芸研究家)
「愛知教育大学における2006年度「実験授業・講演」実践報告-アンケート結果をてがかりに-」 大野寿子(東洋大学)
司会:塚崎今日子(札幌大学[非常勤講師])
コメンテーター:真鍋祐子(東京大学)
【2007年6月24日(日)】10: 00~12:30
・セッション3:伝承文芸研究の最前線
報告:
「サハリン・アムール地域の文化継承と民族音楽アンサンブル」 丹菊逸治(東京外国語大学)
「毛糸絵から絵本へ:メキシコ先住民の伝承が絵本になる理由」 山森靖人(関西外国語大学)
「中央アジアにおける若い世代への「伝承」-カザフスタン共和国を例に-」 坂井弘紀(和光大学)
「口承文芸資料へのタグ付与による新たな研究方法の開拓:ペルシア語の事例」 竹原新(大阪外国語大学)
司会:齋藤純(天理大学)
コメンテーター:荻原眞子(千葉大学)
・総括と閉会の挨拶
小長谷有紀(国立民族学博物館)
総合司会:竹原新(大阪外国語大学)
お問い合わせ先
大阪外国語大学外国語学部ペルシア語専攻 竹原新 研究室
Tel&Fax: 072-730-5307
email:takehara@osaka-gaidai.ac.jp
投稿時間 23:59 | コメント(105) | トラックバック(0)
火曜日は、1講と3講が御伽草子です。1講は近代以前日本児童文学演習Ⅱで、御伽草子をグループ発表します。いよいよ来週から発表ですが、今日は「一寸法師」を引き続き読んでいます。渋川版です。
お姫様に恋した一寸法師は、どうしてもお姫様を妻にしたいと思い、寝ているお姫様の口の回りにお米の粉をつけます。これは、今で言えば、ビスケットの粉、ケーキのクリーム、大福餅の粉をつけておくようなものでしょう。一寸法師はその側で嘘泣きをします。自分の大切なお菓子をお姫様が取って食べてしまったと。
貴族の娘がそんなことをしたと父の大臣は怒ります。怒って家から追い出すのですが、その時の言葉は厳しいものでした。一寸法師はお姫様を連れ出す役目を言いつかり、策略がうまくいったことに喜びます。何も知らないお姫様は不安でいっぱい。
本当は大臣も誰かに姫を引きとめてほしかったのですが、この家にはお姫様の継母がいたので、誰も引きとめません。複雑な家庭状況が見え隠れします。
一寸法師とお姫様は舟に乗って京から難波をめざします。ところが風が強く吹き、舟は「興がる島」に流れ着いてしまったのです。ここは人間が住んでいる日常の世界ではないようです。大げさに言えば、「異界」です。
ここでクエスチョン。あなたはどんな「異界」を知っていますか。
さて、「興がる島」では鬼が二人現れ、お姫様をさらおうと、一寸法師を飲み込むのでした。一寸法師も負けていません。鬼の口から目に抜け、鬼の体をちくちく刺します。とうとう、鬼は宝物を置いて逃げていってしまいます。その宝物は打ち出の小槌、杖、鞭。でも挿絵には隠れ蓑、隠れ笠も描かれています。
そこで、クエスチョン。あなたはどのような宝物が欲しいですか。一寸法師はまず背の高さを望みます。次に、食べ物、そしてお金です。
さて、クエスチョン。あなたは三つの願いが叶うとしたら、何を望みますか。
遠い時代の「一寸法師」も三つのクエスチョンで、少し近くなったのではないでしょうか。
投稿時間 23:59 | コメント(3) | トラックバック(0)
上方から江戸へ 2007年05月07日(月)
今日は、日本女子大学との連携の公開講座に参加しました。この講座は梅花学園の生涯学習センターのホームページに紹介されています。その一部を下記に示しましたが、詳細は次のアドレスでご覧下さい。http://manabiya.baika.ac.jp/live2007/kabuki_index.html
特別企画【オープン講座】
日本女子大学・梅花女子大学共催公開講座 歌舞伎の東西交流
―上方の歌舞伎、江戸の歌舞伎―
講座概要
江戸時代から近代に至るまで、歌舞伎興行の両輪は、上方(京・大坂)と江戸でした。それぞれの土地特有の気風によって、上方の歌舞伎と江戸の歌舞伎は、独自の発展を遂げました。それぞれの独自性と交流の様相を中心に、東西の歌舞伎を通して、上方文化、江戸文化双方の面白さをテレビ中継システムを利用してご紹介します。明治時代から歴史的つながりのある、日本女子大学と梅花女子大学の東西交流とあわせてお楽しみください。
日本女子大学とのご縁については、先のホームページに説明がありますが、今日の講座の最初に、生涯学習センターの三浦先生の挨拶の中でも触れられました。女子教育を志した澤山保羅先生と成瀬仁蔵先生が手を携えたご縁が、この講座につながっていることに、人と人のつながりの大切さを感じます。
今日の荻田清先生のお話は、この公開講座の一回目。「元禄期の歌舞伎」と題して、発生から約100年で一つの全盛期を迎えた元禄期の歌舞伎について、わかりやすく、また、研究前線の成果も興味深く織り込まれ、充実したお話でした。坂田藤十郎などが活躍して栄えた京都の歌舞伎界に、江戸から市川団十郎や中村七三郎という名優が訪れ、上方でどのような評価を受けたのか、その成果をどのように江戸に持ち帰ったのか、300余年前のことが目に見えるように浮かび上がり、わくわくするおもしろさでした。
この時代に現代の絵本のルーツもあったのでした。歌舞伎は絵本にも大きな影響を与えたといわれています。来週もこの続きを聞きましょう。
投稿時間 18:56 | コメント(206) | トラックバック(0)
『江戸への新視点』(高階秀爾・田中優子編、新書館、2006年12月刊)を借りました。下記のような目次です。江戸時代の歴史や文化や文学を研究している方々が、それぞれの専門分野から、江戸時代を見ていくときの切り口を解説している本です。なかなか興味深いと思いました。
富士山 高階秀爾
参勤交代と外国人行列 笠谷和比古
体制と役人 水谷三公
農民 斎藤修
結婚・離婚 高木侃
芸者 田中優子
町づくり 陣内秀信
落語 延広真治
警察と裁判 吉野準
旅 金森敦子
絵と言葉 田中優子
技 鈴木一義
目次の最初に「富士山」というタイトルの文章がありますが、「富士山」で思い出したことがありました。先日、「山と言ったら何を思い浮かべる?」と聞いたところ、生駒山、家から見える山、などなど関西の山が並びました。「富士山は?」と聞くと、即座に「思い浮かべない!」と言い切られてしまいました。富士山は東の国の山なのです。日本のシンボルなどと言われていますが、親しみを感じているのは、東の方の人々のようです。何事も自分とは違う立場に立って考えてみることの大切さを感じました。
投稿時間 23:59 | コメント(450) | トラックバック(0)
一寸法師 2007年04月28日(土)
あるドラマの中に、突然『新・講談社の絵本 一寸法師』が出てきました。しかも、そのドラマの筋に少なからず関わっていたのです。ちょうど今、「近代以前日本児童文学演習Ⅱ」で御伽草子を扱い、渋川版の「一寸法師」を読んでいるところですから、見逃せません。
気になったのは、一寸法師が箸と椀をもらって出かけるのは、お母さんがどこへ行っても食べ物に困らないようにと考えたからだと説明したことです。さらに、もっとよく調べると、一寸法師はいつまでも大きくならないので、両親から化物と思われ嫌がられたことを一寸法師は嫌って家を出たという説もあると加えたことでした。
確かに、どちらの説もあります。特に二つ目の意外に思われる説は、大阪で伝わる話や渋川版の御伽草子の話を踏まえています。まさかと意外に思われるかもしれませんが、古典や伝承に残っている話です。それをドラマに取り入れたことはおもしろいことだと思いました。昔話や童話と言われるものの奧にあるものを探ろうとする傾向は近年多いように思います。昔話、伝承、古典にも関心が寄せられているような気もするのです。ドラマの作り手はこの意外性に目を付けたのかもしれません。
でも、今回のドラマの筋展開に置くと、それを否定するように受け取れなくもないのです。母親との結びつきがないように思われる御伽草子の一寸法師の旅立ちは、このドラマが母と子の結びつきを描いていただけに、否定されていたようにも思えてしまうのです。また、御伽草子では、椀と箸の役割は違っています。だから、母親の思いがこもっている椀と箸という解釈もドラマに都合よく使われている解釈のように思えてしまいます。
ドラマはドラマで、それにもの申すことは無いのですが、気にはなります。なぜ、大阪の昔話や渋川版御伽草子では、一寸法師は化物とされたのか、椀と箸はどのような意味を持つのか、ないがしろにはできないと思います。意外なところ、奇抜なところに気づき、関心を持つことは大切だと思いますが、そこからさらに考えてみることを、近代以前日本児童文学分野では求められていると感じました。
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結婚ハウツー 2007年04月26日(木)
先日、電車の中吊りに雑誌の広告が出ていました。「花嫁のすること全部!結婚準備の最強ダンドリ」。内容はわかりませんが、つまりは、結婚へ向かってのいろいろな準備ややるべき事をわかりやすく、賢く教えてくれる内容なのでしょう。このキャッチフレーズを見ながら、思い出しました。
江戸時代の子どもの絵本には、嫁入り物といってもよい作品群があります。若い男女の出会いは、ふとすれ違うケースもあれば、仲人さんが話を持って来てくれる場合もあります。いずれも、若い男女は周囲の賛同を得られ、結納を行い、一つ一つの準備を重ねながら婚礼の日を迎えます。そして、幸せな家族には子どもが生まれる、という流れが、いろいろな主人公で繰り返されています。人間の場合はなくて、鼠、狐、鶴、七福神、化物など、さまざまです。
私がこの嫁入り物の作品群に関心を持ち始めたのは、自分の結婚の頃でした。もう二十年以上前のことですが、その頃の事情と江戸時代の絵本から見える状況は、共通する点もあるものの、違う点が気になりました。特に、こういう絵本で結婚のことを伝えていく、大人と子どもの関係に関心を持ちました。自分のことと重なっていたからこそ、より身近に感じたのかもしれません。
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