おとなが子どもと一緒に経験し、楽しむことには、いろいろあるでしょうが、
「おはなしを楽しむ」ことは、人間が大昔からやってきたことです。
どの民族も、先祖から伝えられてきた「おはなし」を子どもに語り伝えることで、
子どもたちに「生きるための勇気と知恵」を与えてきました。
学生の作品です
現代では、ストーリーテリングという理論と技術があります。
おはなしをたくさん知っていること、
そのおはなしの意味をよく理解していること、
そしてそのおはなしを語る技術をもっていること、
これらを身につけることは、子どもたちと一緒におはなしを楽しむ力になります。
おはなしを楽しむ上で、大切なのは「絵本」です。
絵本には、子どもの心をつかみ、楽しませ、豊かにする、
すごい力があります。
絵本を子どもに読んであげること、
つまり「読み聞かせ」とか「読み語り」といわれることは、
幼稚園の先生が身につけておきたい技術です。
ところがこの技術で大切なことは、子どもの前で絵本を読むことだけではないのです。
もちろん子どもの前で読むための力は必要です。
でも、実際にその経験を重ねてきた人たちが重要だと指摘するのは、
何を読むのか、
どのような内容の本だと理解しているか、
という準備の段階なのです。
「選書」、つまり何を読むのか、どのような組み合わせで読むのか、
これができるためには、
たくさんの絵本を知っていること、そして子どものことを知っていること、が必要なのです。
また、読む本の内容をよく理解し、どのような本かよく知っていることは、
幼稚園の場で、多くの子どもたちを相手にしているときは、特に大切です。
学生の作品です
「おもしろいおはなしをたくさん知っている先生」
「たくさんの絵本を知っていて、その楽しさを伝えてくれる、読み語りのできる先生」
「おはなしのおもしろさ、楽しさを、子どもと一緒に味わうことのできる感性豊かな先生」
こうした力を持っている人材が必要ではないかと、考えているのです。
児童文学科に来られている、
幼稚園教諭や保育士の資格を持っている方、
幼稚園で勤めておられた方、
小学校で勤めておられた方、
これらの方々が勉強しようと思っておられるのは、
昔話、子どもの本、絵本をたくさん知り、理解し、伝える力を身につけることなのです。
それでは、これらの力を身につける勉強とはどのようなものでしょうか。
それについては、次回に。


