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梅花ブログ

加藤康子さんのブログ

片づけ 2007年04月30日(月)

 連休前半の第一の仕事は、大阪の部屋の片づけでした。日々たまっていくいろいろな資料が山積みでしたが、連休の後半に家人が来阪するというので、思い切って片づけを始めました。
 最初は丁寧な分類などを試みましたが、途中でこんなこっちゃ間に合わんと、ともかく大まとめをし、掃除に取りかかりました。まあ、何とか最低限の目的は達して、家人を迎える準備は終了したのでした。 気分も一新しました。

おはなしのろうそく 2007年04月29日(日)

 東京子ども図書館が編集し、発行している小さな冊子があります。手作りのお話の本『おはなしのろうそく』です。梅花女子大学の図書館にも揃っています。
 東京子ども図書館は東京の4つの家庭文庫(石井桃子氏のかつら文庫、土屋滋子氏の2つの家庭文庫、松岡享子氏の松の実文庫)を母体として発足したのだそうです。法人組織の私立図書館です。
 その『おはなしのろうそく』1~26を見てみました。ご参考までに、目次をあげてみます。大社玲子氏の挿絵がお話の世界を豊かにしています。「話す人のために」では、各話の解説と読むときの時間を示してあります。「お話とわたし」には、文庫活動などに携わっている方々がそれぞれの経験に基づいた文章を寄せています。
 小さな冊子ながら、幅広くいろいろな分野のお話を集め、今日の児童文学の基礎となっている代表的なお話が揃っています。素晴らしいと思います。是非、一度は手にとってご覧になってみてください。

おはなしのろうそく1
エパミナンダス/こぶたが一匹/かしこいモリー/おいしいおかゆ/くまさんのおでかけ/ブドーリネク/話す人のために/お話とわたし

おはなしのろうそく2
スヌークスさん一家/ぼくのおまじない/十二のつきのおくりもの/森の花嫁/なぞなぞ/話す人のために/お話とわたし

おはなしのろうそく3
なまくらトック/ねずみじょうど/金いろとさかのおんどり/ガチョウ番の娘/話す人のために/お話とわたし

おはなしのろうそく4
三人ばか/ふるやのもり/おかあさんのごちそう/あなのはなし/美しいワシリーサとババ・ヤガー/話す人のために/お話とわたし

おはなしのろうそく5
うちの中のウシ/長ぐつをはいたねこ/クマが山にのぼってった/あくびがでるほどおもしろい話/三枚のお札/ラプンツェル/話す人のために/お話とわたし

おはなしのろうそく6
歌うふくろ/あるだんなさんとおかみさんのはなし/なら梨とり/ついでにペロリ/仕立やのイトチカさんが王さまになったはなし/話す人のために/お話とわたし

おはなしのろうそく7
小鳥になった美しい妹/おばあさんとブタ/いうことをきかないうなぎ/たにし長者/小山のこうさぎ/熊の皮を着た男/話す人のために/お話とわたし

おはなしのろうそく8
まめじかカンチルが穴に落ちる話/小さな赤いセーター/牛方とやまんば/てんまり歌/ながすね ふとはら がんりき/話す人のために/お話とわたし

おはなしのろうそく9
だめといわれてひっこむな/風の神と子ども/ひねしりあいの歌/ツグミひげの王さま/ジーニと魔法使い/話す人のために/お話とわたし

おはなしのろうそく10
クルミわりのケイト/七羽のからす/たいへん たいへん/かちかち山(兎こむがす)/世界でいちばんやかましい音/話す人のために/お話とわたし

おはなしのろうそく11
世界でいちばんきれいな声/三枚の鳥の羽/向うのお山(讃岐のまりつきうた)/せみになった坊さま/小話二題/ヴァイノと白鳥ひめ/話す人のために/お話とわたし

おはなしのろうそく12
オンドリとネズミと小さい赤いメンドリ/瓜こひめこ/ルンペルシュティルツヘン/ぼくそっくりの/やもめとガブス/話す人のために/お話とわたし

おはなしのろうそく13
こすずめのぼうけん/ぬか福と米福/北風に会いにいった少年/雨のち晴/おどっておどってぼろぼろになったくつ/話す人のために/お話とわたし

おはなしのろうそく14
天福 地福/チモとかしこいおひめさま/猫さん、猫さん/森のなかの三人のこびと/ブタ飼い/話す人のために/お話とわたし

おはなしのろうそく15
四人のなまけもの/ホレおばさん/犬と猫とうろこ玉/ガチョウおくさんのおふろ/コンコンさま(福島のわらべうた)/赤鬼エティン/話す人のために/お話とわたし

おはなしのろうそく16
腰折れすずめ/清水の観音様(栃木の手毬唄)/おばあさんのひっこし/ふたりのあさごはん/アナンシの帽子ふりおどり/鳴いてはねるヒバリ/話す人のために/お話とわたし

おはなしのろうそく17
かにかにこそこそ/ならずもの/王子の夢/ライオン狩り/ねこっ皮/話す人のために/お話とわたし

おはなしのろうそく18
ねずみのすもう/おおかみと七ひきの子やぎ/ホットケーキ/雀、雀、(東京のわらべうた)/番ねずみのヤカちゃん/話す人のために/お話とわたし

おはなしのろうそく19
小犬を拾って仕合せになった爺さんの話/まめたろう/森の家/ねんねこ小山の白犬コ/金の髪/話す人のために/お話とわたし

おはなしのろうそく20
クナウとひばり/すずめとからす/一で糸屋のおまきさん/こねこのチョコレート/鉄のハンス/話す人のために/お話とわたし

おはなしのろうそく21
ねことねずみ/まのいいりょうし/鳥になった妹/花仙人/話す人のために/お話とわたし

おはなしのろうそく22
こぶたのバーナビー/ふうせんふくらまそ/金の腕/ティッキ・ピッキ・ブン・ブン/心臓がからだの中にない巨人/話す人のために/お話とわたし

おはなしのろうそく23
マッチ売りの少女/鳥になりたかったこぐまの話/絵姿女房/コヨーテとセミ/海の水はなぜからい/話す人のために/お話とわたし

おはなしのろうそく24
雌牛のブーコラ/わらべうた ふたつ/腹のなかの小鳥の話/おやふこうなあおがえる/九人の兄さんをさがしにいった女の子/話す人のために/お話とわたし

おはなしのろうそく25
お月さまの話/浦島太郎/ブラックさんとブラウンさん(指遊び)/北斗七星/子どもと馬/話す人のために/お話とわたし

おはなしのろうそく26
ねずみの小判干し/びんぼうこびと/ここはてっくび(わらべうた)/ひとり、ふたり、さんにんのこども/光り姫/話す人のために/お話とわたし

一寸法師 2007年04月28日(土)

 あるドラマの中に、突然『新・講談社の絵本 一寸法師』が出てきました。しかも、そのドラマの筋に少なからず関わっていたのです。ちょうど今、「近代以前日本児童文学演習Ⅱ」で御伽草子を扱い、渋川版の「一寸法師」を読んでいるところですから、見逃せません。
 気になったのは、一寸法師が箸と椀をもらって出かけるのは、お母さんがどこへ行っても食べ物に困らないようにと考えたからだと説明したことです。さらに、もっとよく調べると、一寸法師はいつまでも大きくならないので、両親から化物と思われ嫌がられたことを一寸法師は嫌って家を出たという説もあると加えたことでした。
 確かに、どちらの説もあります。特に二つ目の意外に思われる説は、大阪で伝わる話や渋川版の御伽草子の話を踏まえています。まさかと意外に思われるかもしれませんが、古典や伝承に残っている話です。それをドラマに取り入れたことはおもしろいことだと思いました。昔話や童話と言われるものの奧にあるものを探ろうとする傾向は近年多いように思います。昔話、伝承、古典にも関心が寄せられているような気もするのです。ドラマの作り手はこの意外性に目を付けたのかもしれません。
 でも、今回のドラマの筋展開に置くと、それを否定するように受け取れなくもないのです。母親との結びつきがないように思われる御伽草子の一寸法師の旅立ちは、このドラマが母と子の結びつきを描いていただけに、否定されていたようにも思えてしまうのです。また、御伽草子では、椀と箸の役割は違っています。だから、母親の思いがこもっている椀と箸という解釈もドラマに都合よく使われている解釈のように思えてしまいます。
 ドラマはドラマで、それにもの申すことは無いのですが、気にはなります。なぜ、大阪の昔話や渋川版御伽草子では、一寸法師は化物とされたのか、椀と箸はどのような意味を持つのか、ないがしろにはできないと思います。意外なところ、奇抜なところに気づき、関心を持つことは大切だと思いますが、そこからさらに考えてみることを、近代以前日本児童文学分野では求められていると感じました。

卵かけごはん 2007年04月27日(金)

 卵かけごはんに、ちょっとはまっています。子どもの頃は、そのおいしさを理解していませんでした。ちょっとべたべたしているところが苦手でした。子どもが生まれてからは、アレルギーがあったので、生卵を食べることは避けていました。旅行で朝食に生卵が出ると、食べましたが、おいしいとしみじみ感じたことは無かったように思います。
 ところがここ数年に、卵かけごはんのおいしさを語るエッセイや新聞記事を見る機会が多くなりました。家人はもともと卵かけごはんが好きだったようですが、息子のこともあって一緒に食べていませんでした。それが息子は一人暮らしを始め、私は単身赴任なので、一人で卵かけごはんを食べる機会があったようです。それでも新鮮な卵じゃなけゃ駄目、と私が言うために、めったに食べなかったようです。最近になって家事に目覚めて、新鮮な卵を自ら買うようになって、卵かけごはんのおいしさを度々言うようになりました。
 それで騙された気になって、一人でいるときに卵かけごはんをこっそり食べてみたのです。おいしかった!何ともいえずおいしい。大阪でも食べてみました。近所の八百屋さんで買った卵は味が濃厚で、使った醤油もカツオ醤油で、東京より一味深く、またおいしかった!最近は卵かけごはん用の醤油がいくつも売り出されているそうです。
 凝った料理もそのためのこだわりの素材もたくさんある現代ですが、シンプルな食べ物で、自然の恵み、命をいただくことに徹した卵かけごはんは奧が深いことにようやく気づいたところです。

結婚ハウツー 2007年04月26日(木)

 先日、電車の中吊りに雑誌の広告が出ていました。「花嫁のすること全部!結婚準備の最強ダンドリ」。内容はわかりませんが、つまりは、結婚へ向かってのいろいろな準備ややるべき事をわかりやすく、賢く教えてくれる内容なのでしょう。このキャッチフレーズを見ながら、思い出しました。
 江戸時代の子どもの絵本には、嫁入り物といってもよい作品群があります。若い男女の出会いは、ふとすれ違うケースもあれば、仲人さんが話を持って来てくれる場合もあります。いずれも、若い男女は周囲の賛同を得られ、結納を行い、一つ一つの準備を重ねながら婚礼の日を迎えます。そして、幸せな家族には子どもが生まれる、という流れが、いろいろな主人公で繰り返されています。人間の場合はなくて、鼠、狐、鶴、七福神、化物など、さまざまです。
 私がこの嫁入り物の作品群に関心を持ち始めたのは、自分の結婚の頃でした。もう二十年以上前のことですが、その頃の事情と江戸時代の絵本から見える状況は、共通する点もあるものの、違う点が気になりました。特に、こういう絵本で結婚のことを伝えていく、大人と子どもの関係に関心を持ちました。自分のことと重なっていたからこそ、より身近に感じたのかもしれません。

情報です 2007年04月25日(水)

 もり・けん先生のコンサートのお知らせをもらいました。ご紹介いたします。もり・けん先生は、お話をするとおおらかな雰囲気なのですが、大変エネルギッシュに活動されています。いつもすごいなあと感心し、童謡の大切さ、楽しさを教えていただいています。

ハーモニカ 日本の歌百選 アルパ
心studioオープニング企画コンサート
5月20日(日) 開場14:00  14:30~16:00

 「赤とんぼ」「しゃぼん玉」などの童謡から、山口百恵の「いい日旅立ち」といった歌謡曲までなじみの歌のかずかず。文化庁などが呼びかけ、今年1月に初めて公募で選ばれた「親子で歌いつごう 日本の歌百選」から選曲し、ハーモニカ奏者もり・けんさんと、アルパ奏者内海淳子さんが演奏します。思い切り声をだして歌ってみませんか。

前売1,500円 当日2,000円

☆演奏予定曲目 いい日旅立ち、大きな古時計、浜辺の歌、七つの子、夕焼け小焼け、ゆりかごの歌、こいのぼり、背比べ、コンドルは飛んでゆく、コーヒールンバ、千の風になって、ともだちの歌ほか

大阪市 中央会館 
〒542-0082 大阪市中央区島之内2-12-31  
TEL 06-6211-0630 FAX 06-6211-0620
地下鉄堺筋線・長堀鶴見緑地線「長堀橋」下車 徒歩6分

出演者プロフィール

もり・けん 長年勤めた幼児教育を退社後モンゴルに渡る。自然に沿って生きる遊牧民の暮らしに学び帰国。ハーモニカ演奏と講演にて、日本の童謡の普及に努めている。日本音楽著作権協会会員、日本童謡協会会員、梅花女子大学、朝日カルチャー、読売文化センター、ヤマハ音楽教室の各講師

内海淳子 南米パラグアイに在住中(1987?1990年)に民族楽器であるアルパに出会い、その音色に心引かれ現地で学ぶ。帰国後、専業主婦がアルパ弾きとなり関西を中心に演奏活動を続ける。コンサートを通じて夢を語り合い、くつろぎの空間を共有したいと願っている。

☆お申し込みは、心studio 赤池まで、郵送または、FAXかメールにてお願いします。入場に際しましては、振り込み確認書を当日お持ちいただき提示してください。

なお、お問い合わせは、下記の通りだそうです。
080-3793-7353(赤池)元読売ファミリー「ランドセル講座」企画担当

右か左か 2007年04月24日(火)

 一寸法師の絵本を4種類読んでみました。それぞれに特徴があって、違いがあります。「近代以前日本児童文学演習?」で読んでみたのですが、一つ不思議なことに気づきました。

1.『日本みんわ絵本 いっすんぼうし』
文:百々佑利子 絵:小沢良吉 日本民話の会 ほるぷ出版 1984年初版
2.『いっすんぼうし』
文:石井桃子 絵:秋野不矩 福音館書店 1965年初版
3.『むかしむかし絵本 いっすんぼうし』
文:大川悦生 絵:遠藤てるよ ポプラ社 1967年初版
4.『むかしむかしばなし いっすんぼうし』
文:松谷みよ子 絵:赤坂三好 フレーベル館 1989年初版

 現代の子どもたちのために書かれている絵本とはいえ、日本の古典を紹介しているのですから、縦書きと思い込んでいたのですが、1と2は横書きなのです。したがって、本の開き方も違います。
 右側へページをめくり、左へ左へと進んでいくのは、縦書き。左側へページをめくり、右へ右へと進んでいくのが、横書きです。前者は、平安時代の絵巻物とも同じ。右から左へ時の流れが進んでいきます。縦書きは右から左へと進みますから理にかなっているわけです。横書きは上から下ですが、文字は左から右へと並んでいますから、これまた自然な流れです。
 ちなみに人の目は横に動く方が自然だから、横書きの方が読みやすいという声も聞きます。ただ、首は縦に振るのは難しいことではありませんから、縦に上から下へと読んでもおかしいことはありません。以前、横書きは右から左へ文字を並べていたこともありますが、これは縦書きの名残だったのでしょうか。
 ええっ、横書きだったのか、と驚きましたが、読んでみるとそれほどの違和感はありませんでした。ただ、右から左へ進むのと、左から右へ進むのでは、登場人物の顔の向きが違っていることが多いのです。日本画家の方には、それは違和感ではなかったのでしょうか。1、2共に絵は日本的な味わいです。こうした問題は、絵本を創作する場合に意識することかもしれません。

ヴェルヌの魅惑の世界 2007年04月23日(月)

 日本児童文学学会には、いくつかの研究会がありますが、関西例会もその一つです。4月21日に、梅花女子大学で関西例会が開かれました。このことについては、既に、4月20日にこのブログでもお知らせいたしましたが、今回は高岡厚子先生の講演がありました。高岡先生は、フランス文学を専門とし、映画、フランス児童文学と幅広く研究成果を示されています。児童文学科では、石澤小枝子先生に続いて、フランス語圏児童文学の担当です。
 今回のお話は、アメリカの怪奇小説、推理小説で知られているエドガー・アラン・ポーに触発されたジュール・ヴェルヌが、三部作、『アトラス船長の冒険』『海底二万里』『氷のスフィンクス』を書き著していくという冒険物語の系譜を、本学の図書館資料を駆使しながら明確に語られたものでした。
 日本では、『十五少年漂流記』などが、明治時代から森田思軒の名訳によって伝えられて親しまれています。先生は、それにも触れながら、フランスの雑誌からスタートしたヴェルヌの作品が、ポーに影響を受けつつも文体の見事さと挿絵のすばらしさを最初から魅力として備えていたことを具体的に示して行かれました。
 つまり、雑誌の挿絵は、豪華版、複刻版、普及版と版を重ねて浸透していく中でも、ほぼ変わらず引き継がれ、いずれも白黒ながら能弁に不思議な世界を表現しているというのです。
 人類未踏の極地をめざし、不可能の域を超えていく冒険は、ファンタジーではありますが、昨今話題になっているファンタジーよりも、もっと現実との地続きの感覚を持ちながら実は現実を超越した不思議さを秘めている魅惑的な世界です。ヴェルヌは、それをきらきらと輝くような文体で示し、挿絵はそれを視覚的に表現し得ていることを、いくつかの場面をあげながら説明されました。先生が、日本語訳を読み上げられると、そこにはその輝きが感じられ、フランス語だったらもっと音の響きが魅惑的だろうと想像させられます。
 日本に入ってきたとき、その挿絵はなくなり、あっても別の感性の絵になっていることが、講演会場にずらりと並べられた本学図書館の貴重書がはっきりと物語っています。フランスでもなかなか揃っていないという雑誌全巻を収めた貴重書、豪華版や複刻版のシリーズは、その装幀や挿絵がわくわくとさせる力を持って迫ってきます。明治の『十五少年』の挿絵は、江戸末期の絵草紙にも見られるように、視点が下がり、眼前にドラマが起こっているように描かれています。そして、柔らかな線が大づかみに人物を描いていきます。それに対し、エッチングなのでしょうか、フランスの挿絵は視点をぐっとひき、大きな視野の中に細かに緻密にダイナミックに事件のクライマックスを描いています。
 先生のお話と数々の資料によって、ヴェルヌの魅惑の世界は心躍るように伝わり、その向こうに、私には未だ見えていない大きく深い世界が広がっていることを感じさせてくれました。

大阪弁の物語 2007年04月22日(日)

 日本児童文学者協会が編集している「県別ふるさとの民話」というシリーズがあります。その中の『大阪府の民話』という本をこのところ授業で使わせてもらいました。「鉢かづき姫」は、以前児童文学科で教えて下っていた石澤小枝子先生が文章を書いておられます。寝屋川市に伝わる話で、現在寝屋川市のキャラクターは鉢をかぶった鉢かつぎ姫です。大阪弁は、最初から出てきます。

 むかし、河内の国、交野の寝屋村に藤原実高という大金もちがおったんやて。山はもってる、やしきはひろい、人の出入りはにぎやこうて、ごうせいなくらし、しとったんや。実高の奥方はきりょうがようて、和歌はよむ、おことはうまい、そのうえやさしいて、だれもがうらやむ夫婦やったんやて。

 これを私が読むと、ぎごちなくて不自然です。頭の中にイメージはあってもうまく出てきません。関西出身の学生さんが読むと実にスムーズです。

 この本の中には、今江祥智氏の再話もあります。今江氏は大阪弁の物語や絵本を積極的に書いておられ、その勢いのある文章は魅力的です。「茨木童子」を書いておられます。茨木市の話です。

 そら、もうだれかて、生まれたての赤んぼが、いきなりはいだしたりしょったら、びっくりするで。それに、その子は、髪の毛も黒ぐろ、歯もちゃんとはえとったりしたら、もっと、びっくりするで。

 この話は、私が聞いた茨木市の話と少し違うので、茨木市にもいろいろな話があるようです。この文章を上手に読んでもらったら、楽しいやろな。

ポンまたはぽん 2007年04月21日(土)

 「大阪で昔から皆がよく知っているお菓子は、『満月ポン』ですよ。」そんな話を先日聞いたのですが、私は初めて聞いた名前でした。「どこでも売っていますよ。」と言われましたが、近所で探してもありませんでした。もちろん、東京でも見たことがありません。「おいしいよ、とまらない。」と言われると急に食べたくなりました。
 そう思っていたところ、お一人が持ってきて下さいました。早速、コミュニティルームの菓子缶に入れて置いたところ、あっという間になくなりました。さすがです。私もはまりました。
 帰りがけに近くのいろいろなお菓子を専門に置いているところに寄ってみました。ありません。聞いてみると、取引がないということでした。そのかわり、「ぽんせん」という別のせんべいがありました。大きさも味も違うのですが、どこか似ているところがありました。
 これは「ぽん」もしくは「ポン」に何かあるなと思って、少しインターネットで調べてみました。一筋縄ではいきません。結構奥深い世界でした。ここでまだ説明できるほど整理がついていないのですが、大阪の懐かしいお菓子を入り口としていろいろなものが見えてきそうな気配です。
 どんな入り口からもいろいろな世界へつながることがおもしろいことだと思います。インターネットはその楽しみの手段として有効ですが、どうもそれだけでは足りないようです。足で調べ、人に聞き、いろいろな資料で確認し、考えていって、初めて少し見えてくるように思います。
 ちなみに、今回見たインターネットの中から、興味深かったものを一つ紹介します。
http://www.kuidaore-osaka.com/2top/fumi/04_hajime/hajime45.html
 この説明はいくつか見たサイトの中ではおもしろかったのですが、最初に話を聞かせてくれた方々や別の「ぽんせん」、お菓子屋さんの話がなければ、このサイトに興味をもつことは無かったと思います。また、いろいろなサイトを見なければ、このサイトだけでは解決が付かないことにも気づかなかったでしょう。そして、解決が付かないことで、逆に何かがありそうと思えたわけです。
 「ポン」または「ぽん」は、しばらく私の宿題の一つになりそうです。