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加藤康子さんのブログ

いばらきのすごろく 2007年03月31日(土)

 茨木市では「市制施行40周年記念 いばらきの郷土すごろく」をつくっています。このことを知って関心を持ったところ、資料としていただくことができましたので、ご紹介します。

 すごろくだけでなく、サイコロと回り札も作れるようになっています。新聞の倍の大きさ、コーティングした紙、多色刷りで、裏には、茨木市の地図と説明が付いている豪華版です。その中から、解説の一部をご紹介します。

 この「いばらきの郷土すごろく」は、茨木市の市制施行40周年を記念して、こどもたちがすごろく遊びをとおして、いばらきの歴史や史跡・産物などを知り、ふるさと茨木を好きになっていただくことを願って作りました。
 すごろくの項目は、作成委員の先生方に選んでいただいたものです。
 イラストは、井上直久先生の力作です。
 このすごろくが、茨木のこどもたちに親しまれることを願っています。

項目選定および解説(作成委員)
大森一雄 笹川隆平 原秀志 東実文男 池田吉昭 新村忠 川口牧
イラスト 井上直久(府立春日丘高校教諭)
発行日 1988年12月
発行者 茨木市教育委員会

 「ふりだし」から、大池フェスティバル→茨木童子→名神高速道路→弁天さん花火大会→茨木市歌→小西篤好……と43個のコマを回って「あがり」へ行く、回り双六です。熱心なすごろく作りに感心しました。
 

卒業生からのお知らせ 演劇をご覧になりませんか 2007年03月30日(金)

 卒業生で、演劇活動をしている黒田沙織さんから公演のお知らせが来ました。黒田さんは劇団銀河で活躍中ですが、是非お出かけ下さいとのことです。ご自分の道を切り開かれている黒田さんの様子に元気をいただきました。
 それでは、公演のご案内です。 

題名:『サンタがバスでやってきた』
日時:5月25日(金)19時半開演
   5月26日(土)13時開演
   (両日とも30分前開場)
会場:クレオ大阪西(西九条駅から徒歩5分)
チケット:前売3000円/当日3300円

劇団銀河のホームページは、下記の通りです。
http://ginga2000.dip.jp/
この公演のお知らせは、下記に出ています。
http://ginga2000.dip.jp/kouen.htm

卒業生のコメント 絵本を創る 2007年03月29日(木)

 第23回ニッサン童話と絵本のグランプリで、優秀賞を受賞した絵本『コートダジュールの虫歯』の作者、仙田まどかさんからコメントが届きました。
 仙田さんは児童文学科の卒業生です。この快挙については、既に3月15日付けでお知らせしていますが、そこには受賞作の一部をご紹介していますので、あわせてご覧下さい。
 コメントを読ませていただき、私は絵本に対する仙田さんの思いを知ることができました。絵本の創作を志す方、児童文学・絵本に関心のある方、何かをめざしている方、是非お読みになって下さい。

 私と絵本   仙田まどか
              
 私が絵本を製作していきたいと思ったのは、大学での授業がきっかけでした。幼い頃からお話を空想することは好きでしたが、実際に行動に移して創作するまでには至りませんでした。絵を描くことは好きでしたが、下手でしたので、作りたい気持ちを抑制していました。
 ところが入学してから絵本の授業を受けたことで劣等感がなくなりました。迷いつつも一人で描いてこられたのは、学生時代の絵本創作においての二人の先生との出会いがあったからだと思います。
 あの十年前の授業風景はいつも昨日のことのように思い出されます。島野千鶴子先生が面白いね、といって、私の描いたキャラクターをほんの十秒ほどで模写して下さったこと。「その考えを一旦止めなさい」とストーリーを説明する度にぴしゃりとはねつけるが、最後まで辛抱強く最良のアイデアが出るまで待って下さった辻本洋太朗先生の厳しさ。思い出す度に気が引き締まります。そして仕上がった作品をとても誉めて下さったことが絵本作家を志すきっかけとなりました。
 そこで本腰を入れればよかったのですが、真剣になることが怖く、その後七年間は遊び程度に絵を描くくらいで、作家の夢を忘れていました。しかし、今から二年程前大学院での研究生活に行き詰まっていた私は、自分のやりたかったことをもう一度考え直しました。研究で知った児童文学と絵をどちらも追求していきたいと決意し、猛烈な勢いで闇雲に絵を描きました。月刊誌「MOE」への投稿を一つの課題として。約一年後に運良く掲載されたことがきっかけとなり、絵本を作り、「ニッサン童話と絵本のグランプリ」へ応募しました。絵や話は未熟でしたが、今出来ることを全て注ぎ込もうとしゃにむに描きました。気弱になった時にはあの絵本の授業での風景を思い出し日々製作に励んでいます。

茨木のかるた 2007年03月28日(水)

 茨木市では、「いばらきの郷土かるた こども自身がつくる」を作成しています。そのことを知って、関心を持ったところ、資料として提供していただきましたので、ご紹介します。

 箱の蓋のうらに次のような説明が書いてあります。

 この「いばらきの郷土かるた」は、日本の未来をになう小さい皆さんが、遊びのなかでごく自然に郷土の歴史や現状を知り、郷土茨木を愛するようになっていただくことを願ってつくりました。
 なかに読まれている句は、昭和47年から3ケ年の間に市内小学校4年生以上の児童の皆さんより応募いただいた2485句のなかから、審査選定委員の先生がたに選んでいただきました。
 今回、現状にそぐわない句を検討委員の先生がたに改訂していただき、再版しました。
 絵と装丁は、きり絵の加藤義明先生の労作です。
 この「かるた」を大いにご利用くださることを願っています。

句    こども自身の公募作品より選考
監修   藤本浩之輔(京都大学助教授)
絵・装丁 加藤義明
解説   審査選定委員会・改訂検討委員会
発行日  初版/昭和51年3月 改訂・再版/昭和60年3月
発行所  茨木市教育委員会

 句をいくつかご紹介します。

い 茨木の市花はきれいなバラの花
ろ 老人もこどももはりきる親子ハイキング
は はばたけ鳩のマークの茨木市
に にぎやかにせり声高い中央卸売市場
ほ 北摂の雨ごいの山竜王山
へ 倍賀の社の春日燈籠
と ともしび号は動く図書館

 こういうかるたがあったことを知りませんでした。熱心にかるた作りを進めた人々の思いを貴重なことだと思いました。

児童文学の楽しみ 2007年03月27日(火)

 イギリス児童文学を初めとした英語圏の外国児童文学を長く担当されている三宅興子先生が、昨年の12月2日に行われた児童文学会の秋季学術講演会で講演「子どもの本と50年?イギリス児童文学史再構築論への道程?」をされました。その折に近刊として講演参加者に配られた著書をご紹介します。

 『児童文学の愉楽』(三宅興子著、翰林書房、2006年刊)です。目次をみると、先生の長年の児童文学への思いの詰まった著書であることがわかります。目次をご紹介します。

? 日本の児童文学
『子どもと文学』から30年 「世界的な児童文学の規準」は、あったのか
゛ボクちゃん゛のゆくえ 奥田継夫さんの作品群を読んで
蘆谷重常の童話理論の淵源を求めて
作品論 『ながいながいペンギンの話』『おばあさんのひこうき』『光車よ、まわれ!』『日本宝島』『冒険者たち』

? 英語圏の児童文学
〈実生活〉物語
〈自己発見〉小説
家庭小説の作家たち
作家論 L・M・オルコット M・フィンレイ K・D・ウィギン L・M・モンゴメリー R・ホーバン
作品論 『赤毛のアン』『トム・ソーヤー外遊記』『探偵トム・ソーヤー』『それぞれの海へ』『カレンの日記』
書評 『とげのあるパラダイス』
オーストラリア児童文学リアリズム

? 「セント・ニコラス」誌研究
「セント・ニコラス」誌 書誌および研究史
アメリカにおける冒険物語の成立
こころよさの泉 「セント・ニコラス」の詩
さし絵のしめる位置
フランク・F・ストックトン論
「セント・ニコラス」の時代性

? 児童文学の困難さ
視点と語りの変成
おとなになることのむずかしさ
日常の生活圏から逃れて
ずっと、輸入超過で、きました。

? 児童文学の愉楽
虹と湯たんぽに出会った旅から
絵本便り イギリスから
子どもの本のないところ・あるところ
本を読んでもらいながら眠る子どもたち

あとがき
出典リスト
索引

子どもの姿 2007年03月26日(月)

 今日質問を受けました。江戸時代の子どもの絵は生き生きしている、現代の私たちはもっと江戸時代の子どもの絵を見ていかなければならないと思うが、何を調べたらよいでしょうか、という質問でした。いきなりの質問は、とても難しく、たじたじとしてしまいますが、私もそういう思いを持っていましたので、わずかながらの知識をお話しました。
 現代の絵でも子どもの姿は生き生きしていないわけではないのですが、古典に見られる子どもの姿には新鮮な印象があります。絵巻や屏風に表情豊かな子どもの姿を見つけることができます。以前、「絵巻の絵」(2006年5月9日(火))にそのことを書きましたが、本当にかわいらしい子どもなのです。
 浮世絵にも、木版刷りの絵草紙にも、子どもの姿は至るところに見られます。『絵本西川東童/絵本大和童/竹馬之友/幼心学図絵/江都二色』(西川祐信著/辰景著/歌川国芳著/北尾重政著、久山社、1997、日本子どもの歴史叢書7)には、子どもの姿を描いた江戸時代の絵本が4作品収められています。写実的な絵といえないものもありますが、少なくとも絵の上では子どもはのびのびと行動しています。
 こうした子どもの絵は、近世の子どもを考える上で、一つの資料になると考えられます。

神さまはどこ? 2007年03月25日(日)

 ここのところ、「頼光一代記」の絵草紙を細々と追いかけています。
 M市の郷土資料館が所蔵しているI文庫の豆本『頼光一代記』を読んでみました。幕末に江戸で刊行された小さな絵本です。よく知られた酒呑童子退治の話です。筋も絵柄もほぼお決まりの型通りなのに、どこか違うのです。
 源頼光は、四天王と平井保昌と六人だけで、大江山の酒呑童子を退治に出かけます。山伏姿で出かけますが、出発前に神さまに武運を願っていきます。すると途中で神さまたちが助けを下さるのです。鬼の岩城への道を示して下さったり、鬼には毒、人には力になる物を与えて下さったりするのです。困ってどうしようもない時、今にもやられそうな時、神々は力を貸して下さるのです。
 御伽草子の絵巻でも、草紙でもそうでした。江戸時代のたくさんの絵草紙でもそうでした。それなのにこの豆本では、神さまが出てこないのです。神さまはどこ?
 実に不思議です。この不思議な豆本を調べていこうと思っています。なぜ神さまは出てこないのか、何かわかったら、意見をまとめていこうと思っています。

 

木の芽時 2007年03月24日(土)

 木の芽時。木の芽が一斉に萌え出る早春の時期をいうことばです。辞書によれば、長い冬からの解放感で、精一杯活動したいと心身共に張り切る時期だそうです。確かに急に暖かくなり、体の中から生命が動き出すという感じが、あっちにもこっちにもあふれています。
 けれどもこの時期は、寒暖の差が大きく、半袖でもいいかと思えば、暖房を入れたいほどの寒さに震え上がったり、風が吹いて埃や花粉が舞い上がったりと、不順な日々です。そのために体の調子を崩しやすい時期でもあるのです。体の中が動き出すことにも原因があるのかもしれません。
 私の義父はこの時期体調を崩すことが多く、木の芽時だからとよく言っていました。私も新学期の初めは、風邪を引いたり、なんか頭が重かったり、喉が痛かったりしがちです。花粉症の気もあるのかもしれませんが、せっかくの春を楽しむには、ちょっと残念だったりします。
 木の芽時のちょっと不安定で、でも何かが動いていく様子は、次への階段の一つであって、あまりこだわらない方がよいのかもしれない、と思います。
 皆様も、体調に注意されて、春を満喫されますように。

近世文学の本 2007年03月23日(金)

 研究上の知人から、ご著書をいただきました。長年の研究をまとめられた、示唆に富んだ優れた論考です。読み物としても興味が尽きない書物です。お礼の意味を込めて、ご紹介させていただきます。

 『江戸の読書熱 自学する読者と書籍流通』鈴木俊幸著 平凡社 2007年刊

 江戸時代の出版メディアについては、近年研究がずいぶん進みました。先学、前田愛氏の研究を基盤に、気鋭の近世文学研究者が次々と研究成果を発表してきました。鈴木俊幸氏はその先頭を行くお一人。版元蔦屋重三郎の研究を初めとして、江戸中・後期の出版事情を具体的に解明されてきました。この本の著者紹介によれば、専攻は書籍文化史。本が大好物な方と聞いています。『唐来参和』『近世書籍研究文献目録』『蔦重出版書目』『蔦屋重三郎』『一九が町にやってきた』など魅力的な著作を多数刊行されています。
 江戸時代の人々がどのような読書をしていたのか、その驚くほどの読書の有り様を最新の研究成果を踏まえて、具体的に論じておられる本です。広く深い文化が求められる現在、日本の潜在力を知ることのできる本だと思います。

小布施 2007年03月22日(木)

 小布施の北斎館に行ってきました。葛飾北斎の肉筆があるというので、常設展示を見てきました。
 北斎は最晩年に小布施の高井鴻山に招かれて、小布施に滞在し、肉筆画や祭り屋台や寺の天井絵を描いたことが知られています。木版画の浮世絵とは違う迫力のある北斎の肉筆画の世界の一端を見ることができました。
 北斎を招いた高井鴻山の隠宅や文庫蔵、北斎のために建てた家などを修復して鴻山の作品や関係資料を展示している高井鴻山記念館がすぐ前にあるので、これも訪ねてみました。
 高井鴻山は、江戸へ遊学し文化人と親交を持つ中で、北斎を招き、小布施においてパトロンとなりました。鴻山自身も優れた書画を残していますし、当時の一流画家の作品も数多く収集していたそうです。鴻山は文化3年(1806)に生まれ、幕末維新の激動期を生き、1883年に亡くなっています。村役人としての公務、豪商としての経営、文化人としての地域文化活動、そして激動の政治に直接かかわろうとして未完に終わった、多面的な人間像をもった人だと説明がありました。小布施の文化人として今も敬愛されているそうです。
 北斎と鴻山の関係が興味深く、残された手紙などの書類に関心を持ちました。また、高井鴻山記念館に残された隠宅に作られている逃げ道に幕末の時代を感じました。
 さらに足を伸ばし、町はずれの岩松院を訪ねました。葛飾北斎・福島正則・小林一茶にゆかりのある古寺です。北斎が描いた天井絵「八方睨み鳳凰図」を見ることができました。本堂大間、21畳敷一杯の極彩色の天井絵です。江戸末期の嘉永元年(1848)という北斎晩年の大作です。使用している絵具は、中国から輸入した岩絵具で、その価は150両だったそうです。金箔も、4400枚使用しているということです。鮮やかな迫力のある絵です。
 この寺の庭の池では、春の花見が終わる頃に、アズマヒキガエルが産卵で集まるのだそうです。5日ほど、昼夜の別なく約200?300匹の蛙がくくみ声をあげ、数少ないめすのうばい合って合戦になるといいます。小林一茶はこの様子を文化13年(1816)に「やせ蛙まけるな一茶これにあり」と詠みました。池のほとりに句碑が立っています。小布施にはこれ以外にも一茶の句碑がいくつかあります。
 北斎館だけを訪ねるつもりが、あちこちに足を伸ばし、思いがけずに収穫が多く、有意義でした。果樹園で作業をしている方々以外旅人も少なく、静かな小布施でした。

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上 岩松院の仁王門(少し傾いているのは、撮り手が傾いていたため)
中 岩松院から少し歩いたところの一茶の句碑
下 岩松院近くの果樹園