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梅花ブログ

加藤康子さんのブログ

魚養の話 2007年02月28日(水)

 『宇治拾遺物語』に変わった話があります。

 遣唐使で唐に渡った男が、恋をし、子どもも生まれます。ところが遣唐使ですから、帰国することになり、相手の女性に後から来る遣唐使に自分の様子は伝えてもらうし、子どもは少し大きくなって、乳母の世話にならなくなったら、迎えに来るからと約束します。
 ところが、女がいくら待っても何の音沙汰もありません。女は怒ります。ここがこの話のびっくりするところなのですが、女は父親の名前を、「遣唐使の○○」と札に書いて、子どもに掛け、その子を海に投げ入れてしまうのです。
 この子には、神の力でも宿っていたのでしょうか。私の母も子どもには神様が付いていると言っていました。この子は、海を旅して日本の岸に着くのです。
 例の遣唐使が海岸にいると、向こうから何か白いものが近づいてくるのです。何だろうと思っていると、それは魚に乗った子どもだったのです。子どもには札が付いていて、自分の名前が書いてあるのを見て、男には事情がわかりました。何の連絡もしなかったので、女が子どもを海に投げ入れたのだと思ったのです。男は我が子を可愛がり、大切に育てます。そのことを女にも知らせ、女はあきらめていた子どもが無事だと知って喜びます。
 この子にはやはり特別の力が備わっていたのでしょう。魚に命を助けられたというので、魚養という名をもらい、書道家になります。大変力があったので、七つの大きな有名なお寺の額の字を書くほどになったのです。

 なんという話だろうかと驚き、魚の背中に乗った子どもの姿を思い描いたり、母親の気持ちをいろいろと想像したりしました。その印象は強く、遠い過去に書き記された話とは思えません。現在、起こりそうな気がするくらいです。
 『宇治拾遺物語』には、短く、言葉は少ないのに、想像力を刺激する印象深い話が結構あるのです。想像力をかき立てる力が古典の名作にはあるように思います。
 この話など、異能の子どもの話を2月15日の公開講座で扱いました。この魚養の話は、前田久子先生が丁寧に話して下さいました。この公開講座については、下記のサイトをご覧下さい。
http://manabiya.baika.ac.jp/lifelong/index.php/page/course/id/062C-08

 

「小熊秀雄の詩の世界」 2007年02月27日(火)

 今日は素敵な本を見せていただく機会に恵まれました。
 『暁の網にて天を掬ひし者よ 小熊秀雄の詩の世界』(法橋和彦著、未知谷、2007年刊)という、まもなく出版される本です。まず、カバーの絵に惹かれます。この本のテーマである小熊秀雄氏の「巣鴨拘置所付近」の絵なのです。日本人が描かれたのに、ヨーロッパの北の凍てつく土地を思い起こさせるような絵なのです。カバーには、次のような文章が載っています。

 《morals and justice》
 信義のみを規範に生き
 書き綴る姿勢は
 小熊秀雄に
 中野重治に
 そして本書の著者
 法橋和彦に見られる

 抑圧された民衆の側に立ち
 澄みきった眼で日常を見つめ
 ロシア文学に啓発されつつ
 小気味良いエスプリを利かせ
 多彩に作品を描きわけた
 最良の口語自由律詩人
 小熊秀雄の人生と作品

 構想以来四十有余年
 キーワードに巡り合う度に
 書き継いだ労作七〇〇枚
 所謂「転向問題」への
 新しい提起をも含め
 読者諸氏の見識を仰ぐべく
 今ここに上梓する

 何か身を引き締められるような紹介文です。小熊秀雄氏は童話も書いているのだそうです。ところどころに挟まれているカットはエンゲリ・ナシプーリン氏の手によるものだそうです。扉の裏には、「ロシア人よ 全世界を漁するものよ 暁の網にて天を掬ひし者よ ラッパを吹け!」という、セルゲイ・エセーニン「変容」を小熊秀雄氏が訳したエピグラフが掲げられています。
 著者の法橋和彦先生はロシア文学、特にトルストイ研究の大家でいらっしゃると伺っています。私は門外漢で全くわからない世界ですが、この本を見せていただいたときに何か引き込まれる思いがしました。少しずつ読ませていただこうと思っています。

糸井文庫 2007年02月26日(月)

 実業家糸井仙之助が私財を投じて大正・昭和期に丹後地方に関わる書籍や古文書を集めたのが糸井文庫で、現在は舞鶴市教育委員会が郷土資料館で大切に保管しています。そこを訪ねたのは、1年と少し前の昨冬のことでした。
 久しぶりの訪書の小旅行は、楽しくわくわくするものでした。その時のことは、「絵草紙探訪?舞鶴編?」として短い文章を書かせていただき、下記のアドレスに出していただきました。

http://manabiya.baika.ac.jp/series/tanpo01.html

 これも、一年ほど前のことでした。もう一度行きたいと思う、魅力ある文庫です。
 実業家が本に惹かれ、その財力を投じて収集する例は少なくなく、貴重な蔵書は研究の資料としてなくてはならないものになっています。私が関心を持っている江戸の庶民の本の一つ、絵草紙類もそうした中で生き残ってきた例がたくさんあります。そうした文庫を訪ねるとき、文学と経済のつながりの不思議さを思います。

再び、博士論文公聴会 2007年02月25日(日)

 3月3日はお雛祭り。いよいよ春を感じる頃となりました。

 来る3月3日(土)には、博士論文の公聴会が下記のように行われます。ご関心のある方は是非お立ち寄り下さい。

 博士論文公聴会

2007年3月3日(土)
13:00?16:10
梅花女子大学D401教室

1.金永順氏
「植民地時代の日韓児童文学交流史研究
?朝鮮総督府機関紙「毎日申報」子ども欄を中心に?」

2.丸尾美保氏
「明治期の児童出版文化におけるロシア・イメージ論
?ロシアの描かれ方の変遷及びロシア文学の受容を中心に?」

論文公開
2007年2月24日(土)?3月3日(土)
梅花女子大学D棟4階児童文学科コミュニティルーム
(公聴会の時間帯には、公聴会会場で公開いたします

基礎と応用 2007年02月24日(土)

 今日は大学院の入試がありました。お天気は良かったのですが、風が冷たく、紅白の梅の花に春を感じながら、ついつい背中を丸めてしまう日でした。

 このところ、児童文学を研究することについていろいろと思うことがあります。子どもの時から本が好きで、好きな本の世界をもっと深く理解したいという思いから児童文学を研究する方々がおられます。近年は絵本が好きな方も多くなっています。
 一方、同じように本が好きな場合でも、創作をしたいという思いからスタートし、そのために既に世に送られている優れた作品を研究しようとする方々がおられます。また、子どもたちに本のすばらしさを伝えようとして、そのために本を研究する方々もおられます。
 本のすばらしさとどこで出会うのか、いろいろなケースがあるのではないでしょうか。本を作る、本を伝えるという、能動的な活動の中で、本の中味をはっきり意識し、その魅力を肌で感じることは少なくないように思います。また、生活の中のさまざまな経験やそれに伴う悩みや感情を体感することで、本に対するより深い理解が可能になることはままあることです。
 日常生活の中で、豊かな自然体験や人とのコミュニケーションが不足しがちな現代では、文学との出会いは実践の中に芽が隠れていることが多いような気がします。物語や絵本の創作や読み語りを志す人が増えてきたのは、本を媒介として他の人との交流を実体験でき、そこに喜びがあり、内容の発見があるからなのではないでしょうか。
 実践の活動と基礎固めが切っても切れない関係にあることは、今までにも十分理解されてきてことだと思いますが、改めて、この頃基礎と応用は切り離せないものだと思うのです。当たり前のことではありますが。

劇団なんでも茶屋卒業公演 2007年02月23日(金)

 今日、劇団なんでも茶屋の卒業公演のチラシをいただきました。いつも熱心な活動をしておられる劇団です。許可をいただいてチラシと共にご紹介いたします。

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劇団なんでも茶屋2006年度卒業公演「私立荒磯高等学校生徒会執行部」

日時:3月8日(木)Aコース
   3月9日(金)Bコース
   3月10日(土)シェフのオススメ
開場12:30 開演13:00
場所:梅花女子大学F棟202教室
劇団ホームページ
http://nanchano.kakurezato.com/
交通アクセス
http://www.baika.ac.jp/kihon_link/access.html
キャンパスマップ
http://www.baika.ac.jp/juken/banner/campus_life/campus_map/campus_map.html

ストーリー
私立荒磯高等学校生徒会執行部のおなじみメンバー、久保田・時任・桂木・相浦が繰り広げるドタバタコメディ第2弾!!いきなり現れ、久保田に近づく生徒会本部会計の藤原。その藤原の目的とは?そして、裏で手を引く怪しい影が…。

キャスト・スタッフ
原作:峰倉かずや
久保田誠人:波々伯部
時任稔:増田友子
桂木和美:水川和代
相浦正一:青宮永臣(客演)
川越先生:あげ
〈Aコース〉
五十嵐徹:波々伯部
藤原裕介:赤霧しぎ
松本隆介:森象
橘遥:玲遠
保坂:大空瑠璃 時渉舞音
〈Bコース〉
五十嵐徹:波々伯部
藤原裕介:赤霧しぎ
松本隆介:戸叶桜
橘遥:玲遠
保坂:大空瑠璃 時渉舞音
〈シェフのオススメ〉
五十嵐徹:シャリー(特別出演)
藤原裕介:玲遠
松本隆介:戸叶桜
橘遥:祈里蒼
保坂:大空瑠璃 時渉舞音

大学院口頭審査・研究発表 2007年02月22日(木)

 今日は、大学院の修士論文口頭審査と修士1年の研究報告会がありました。論文は、よく勉強し、努力したもので、その成果がまとめられたことを嬉しく思いました。

 研究発表会は、それそれが今年度の研究成果を20分の口頭発表で説明し、10分の質疑応答で、情報交換やアドバイスをしました。発表者以外にも、博士後期課程の方や研究生などの方々が集まり、熱心な会となりました。大学院担当の先生方も多くの意見を述べられました。本日の八つの発表のタイトルをご紹介します。
 
1.八島太郎研究?Crow Boy と Umbrella について
   岩佐優子氏

2.岡田淳作品の研究?『学校ウサギをつかまえろ』の子どもの描き方を中心に 
   狩野博美氏

3.現代台湾において日本児童文学の受容についての一考察?国語日報を通して 
   王映方氏

4.お伽草子に見る姫君像?「木幡狐」を中心にして
   田川沙夕里氏

5.佐藤さとる『だれも知らない小さな国』研究?自然描写を中心に
   内藤智津氏

6.エリアーデ宗教学「聖と俗」をめぐる考察
   中久保恭氏

7.角野栄子『魔女の宅急便』研究
   松塚弥子氏

8.おとぎ話に投影されたイデオロギー?ジャック・ザイプスを手がかりに 
   吉田由似氏

 本の好きな方、児童文学や絵本、マンガやアニメが好きな方はずいぶんいらっしゃるでしょう。大変な読書量をお持ちの方、深い読解を持っておられる方々もいらっしゃると思います。児童文学の理解と創作には、そうした人々の力が有形無形に支援しているのだと考えています。
 その中で、論文の形で、自分の読み方・考え方を示す方法があります。いろいろな方法がある内の一つの方法です。論理的に自分の考えを展開していくわけです。なんとか一つのまとまりができ、のびのびとご自分の考えを述べていただけたらと、願っています。

若い刺激 2007年02月21日(水)

 「若い刺激」などというと、何か怪しげですが、いたってまじめな話です。このところ、若い世代の仕事にいろいろと刺激を受けています。
 今日は、大学院の修士論文を読ませていただく機会に恵まれました。大変よく勉強し、多くの資料を読んでおられました。その上、先行研究に感銘を受けて新しい考え方に果敢に挑戦して、論を構成していき、思い切った推察をしています。何か小気味よい、推理小説を読んでいるように、わくわくしました。
 先日研究会に行ったときも、ぐっと若い世代の時間をかけた根気のよい資料集めに感心しました。学生の卒論にも修論にも、私の知らない知識もあり、意欲も、感性も見出されます。もちろん若さゆえの荒っぽさや、経験不足はありますが、生き生きとした魅力が溢れています。若い人が夢中になって集中したとき、思いがけない力が発揮されることがよくわかります。
 忙しさに振り回されたり、体力の衰えを感じたりするとき、一人で集中する時間がもっとあればなあと思う気持ちは誰にでもあるでしょう。でも、この「若い刺激」がないところで、活気に満ちた仕事ができるのだろうかと、不安になります。
 私は、幼稚園以来、ずっと学校という場に居続けています。園児、小学生、中学生、高校生、大学生、大学院生、教員と立場は異なりましたが、ずっと学校という場にいました。産休と育休の一年間を除いて、四十数年、学校でずっと「若い刺激」を受けてきました。いろいろな見方、考え方はあるでしょうが、この幸せに感謝しています。この刺激が私自身を活性化させていると思います。
 「若い刺激」は若者から年配者に働くだけではないと思います。若者同士でも、より若い世代にも、そっと肩を励ます、あるいはしっかり背中を押す、気を引き締める、そんなことの原動力に成り得るのではないかと思います。
                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                             

成績票配付 2007年02月20日(火)

 四年生の皆さんへ大切な連絡が掲示されています。成績票配付についての下記のお知らせをご存じですか。お忘れなく。詳細は、必ず掲示またはホームページで確認して下さい。


        成績通知票の配付等について

●成績通知票の配付について
 下記日時に4年次生の成績発表(成績通知票の配付)を行います。
 当日は必ず学生証持参のうえ、本人が登校してください。

  ・日 時 2007年2月23日(金) 10:40?13:00
  ・場 所 D204教室                 

●再試験申請について
 再試験を受験しなければならない方は、下記日時に必ず本人が再試験の
 申請をしなければなりません。
 申請しない場合はその時点で留年が確定します。
 該当すると思われる方は旅行等の予定をいれることのないように
 注意してください。

 ※再試験については、大学要覧の「試験規程」を参照してください。

  ・日 時 2月23日(金) 10:40?15:00 (厳守)
  ・場 所 B棟1階 学生サービスセンター教務担当窓口 ←変更になりました

●成績確認申請について
 成績通知票において、評価(評点)に疑義のある方は下記期間中に
 確認申請をすることが出来ます。
 
  ・日 時 2月23日(金) 10:40?16:00
      2月24日(土) 9:00?11:20 (厳守)
  ・場 所 B棟1階 学生サービスセンター(教務担当窓口)

 ※申請の際は成績通知票を必ず持参してください。

                    
 当たり前のことを当たり前にすることは、簡単なことですが、これをきちんとすることは案外できなかったりします。掲示を見ること、時間を守ること、注意事項に気を配ること、などなどは簡単ですが、確実にこなさないと時にとんでもないことになります。失敗を重ねて、はじめてわかるのかもしれませんが、それでは遅いことだってあります。
 ともかく、23日は成績通知票を取りに来て下さい。

ホームページのご紹介 2007年02月19日(月)

 ホームページを作る方が増えています。児童文学科の卒業生や在校生でも、いろいろと工夫をしたページを発信されているようです。

 先日、在校生からホームページを開いたという連絡を受け、早速拝見しました。独自の世界を展開し始めておられました。ものを作る喜びが感じられる、オリジナルな世界です。作者に許可をいただき、ご紹介します。

http://ma.minx.jp/loutka

このサイトの最初のページからご挨拶の部分をご紹介させていただきます。

 Loutka(ロウトカ)とは、チェコ語で「操り人形」とゆう意味です。ぬんそるぺ侯国の人形劇団ですが、普段は手作りの絵本や雑貨などを売っています。2006年の1月4日に始めて以来、あん子てぃんとれ子てぃんの2人で少しずつですが活動してきました。そしてついに!2007年2月7日、たくさんの方の助けもあってHPができました。これからどんどん新しい事に挑戦しつつ、活動の範囲を広げてより多くの人に「Loutka」を知っていただきたいです(^ω^)

 児童文学科の同窓会は、以前から素晴らしいホームページを作っておられます。是非見ていただきたいと思います。

http://salutnet.com/index.html

 この中に、現在、児童文学・絵本センターの情報が加わり始めました。今後さらに整備して下さるそうですが、現在は、下記のアドレスで御覧になって下さい。
 卒業生の方々が、いろいろなお力を貸して下さることに、とても有り難く、嬉しく思っております。

http://salutnet.com/index.htm

 どうぞ、今後ともよろしくお願いいたします。